2
オレ達は反省し、できる限り相手をすることにした。
そして何とか騒ぎは収まった。
オレ達は高校を無事卒業し、みんなで同じ大学に進んだ。
学部はそれぞれ違ったものの、仲の良さは変わらなかった。
しかしオレ達の知らないところで、利実は変わっていった。
それを知ったのは、1年後。
利実が同じ大学に入学してきた時だった。
高校生の時はまだ、女の子らしい可愛さをもったコだった。
しかし露出の激しい格好に、派手なメイクで、一瞬誰だか分からなかった。
それでも利実はオレ達と一緒にいたいと思う気持ちは変わっていなかった。
相変わらず甘えん坊で、困ったことがあればすぐに頼ってきた。
再会した後は、少しの間は平和だった。
例え外見は変わろうとも、中身は変わっていないのだと、仲間と苦笑しながら言っていたのも束の間だった。
高校生だった時の騒ぎが、よりいっそう深く・重くなってオレ達に降り注いできたのだ。
利実は変わってしまっていた。
歪んだ方向へ―。
利実は彼氏を作った。
しかし彼氏と言っても、お金を貢がせたり、自分の用がある時にだけ会うだのと言った扱いをしていた。
それでも利実ほど美人に『彼氏』と言われて嬉しいのか、男達は幸せそうだった。
だが男に金が無くなり、用が済めば、すぐに別れた。
そしてまた、自分にとって都合の良い男と付き合う。
利実はさまざまな男と噂になった。
大学にいる学生や教授達、他の大学の学生や教授とも噂になっていた。
ブランド物を好むようになり、オレ達からも金を借りるようになった。
しかしそれでも足りず、キャバクラで働くようになり、大学には滅多に顔すら出さなくなった。
そうなると大学内では騒ぎになった。
何せ利実に金を貸していたのは、オレ達以外にもたくさんいたからだ。
しかも利実と噂になった男達まで騒ぎ出したのだから、収まりがつかない。
利実といつも一緒にいたオレ達に矛先が向けられ、ついには理事長から呼び出されてしまった。
オレ達は一晩話し合い、利実と決別することを決めた。