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10

孝一はオレの隣で寝ている。


何度も寝返りを打ち、ため息をつけば、気になっただろう。


「ううん。僕も寝付けなくてね。寝酒、付き合うよ」


「ああ」


孝一も冷蔵庫からビールを取り出し、オレの向かいのイスに腰を下ろした。


「明日のことが原因?」


「今はそれしかねーだろ?」


「だね。彼女達も、眠れていないだろうね」


「同性は異性よりも厄介みたいだからな」


「揉め事は特に、ね」


利実に男を取られた女達が、彼女達を責めている場面を、何度も目撃した。


精神的に参っているのは、彼女達の方だろう。


「幸いなことは、利実ちゃんが和城と約束を交わしたことだけだろうね」


「でも口約束だぞ?」


「守るよ。3年以上もずっと好きだった相手なら、尚更にね」


「そんなもんか?」


「そうだよ。僕だって和城との約束だったらどんな内容でも守るし、和城だってそうだろう?」


「…だな。まあお前とは10年以上の付き合いだしな」


「正確には15年だよ」


「もうそんなになるのか?」


「うん。僕は和城と出会った時のこと、今でもハッキリ思い出せるよ」


孝一はとっても遠い目をした。


「僕が和城の家の隣に引っ越してきて、キミは興味があって、僕の家に侵入してきたんだよ。覚えてる?」


「覚えているが…正確には庭に侵入、だろう?」


「そうだね。二つの家を隔てる塀を登って、木に飛び移って来たんだよね。それがちょうど僕の部屋の真正面にその木があって…」


そうそう。


隣の家に人が来ると聞いて、オレは興味を持った。


そして塀をよじ登って、隣の家に植えてあった木に飛び移ったところで、孝一に見つかった。


二階の孝一の部屋は、今でも変わらずその場所にある。


「僕はビックリして、引っ繰り返ったんだよ」


「あん時、お前スッゴイ声出したよな」


アハハと笑うと、ギロッと睨まれた。


「笑い事じゃないだろう? その声を聞いてウチの両親と、キミの両親が何事かと駆けつけたんだから」


「ああ…そうだった」


不法侵入している姿をばっちり見られたオレは、親父からゲンコツを頭の上に落とされ、おふくろからは説教を30分間された。


「お前んとこの両親は許してくれたのに、オレの親はうるさかったなぁ」


「まあ苦笑はしてたけどね…。それに幼稚園に通っている子供が、あんな高い木に飛び移ったら、親としては心配だったと思うよ」


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