表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/22

9

オレはあえて孝一を見ず、そのまま温泉風呂に入り、寝ることにした。


他の2人も精神的に疲れていたんだろう。


早めの就寝となった。


オレは夢も見ず、ぐっすり眠れた。


とりあえず、肩の荷は下りたのだから…。


そして翌朝。


爽やかな起床。


朝食も大広間だったが、やっぱり利実は来ない。


今日は旅行会社のプラン通りの行動をしなければならない。


女性達に頼んで、連絡を取るように言った。


3人はイヤイヤながらも頷いた。


ケータイ電話で連絡を取ると、どうやら体調が悪いので参加しないと言っているらしい。


ガイドさんにそのことを伝え、オレ達は利実を旅館に残してツアーに参加した。


ここで残れば、また厄介なことになる。


幸いにも仲間達はツアーを楽しんでいた。


途中、土産物屋で利実への土産を買うか女性達が悩んでいたのを、オレは止めるように言った。


僅かな期待も持たせてはいけないと―。


彼女達は少し迷ったが、従ってくれた。


利実をこれ以上、甘やかしてはいけないと分かってくれたんだろう。


夕方、旅館に戻ると、ガイドさんは利実の様子を見に行った。


夕飯を大広間で食べていると、複雑顔のガイドさんが戻って来た。


どうだったか聞くと、暗い声ながらも大丈夫だと言ってきたらしい。


明日は午前中、自由観光をして、バスに乗って帰る。


明日のことについて、どうするか仲間達と話し合った。


さすがにこのまま利実をほっとくわけにはいかなかった。


この旅行の目的は、縁を切る為だ。


最後に楽しい旅行をして、終わらせるというのが条件なんだ。


それを違えた場合、利実からどんな因縁をつけられるか分からない。


とりあえず、孝一が連絡を取った。


すると明日は一緒に行動したいと言ったらしい。


とにかく、明日はできるだけ利実の機嫌を損ねないようにしようと、結論がついた。


その夜、オレは中々寝付けなかった。


明日で本当に終わりにできるのか、珍しく考え込んでしまったからだ。


布団の中に入って1時間後、耐え切れずに寝室を後にした。


茶の間に行き、冷蔵庫からビールを取り出した。


窓際にはイスとテーブルのセットがあったので、障子戸を開け、月見酒をすることにした。


「はあ…」


ビールを一口飲むと、苦味が舌にきた。


ビールは好きな方なんだか、今日はやたらに苦く感じるのは気のせいか?


「和城」


「ん?」


寝室から、孝一が出て来た。


「寝付けないみたいだね」


「あ~、わりぃ。気になったか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ