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季節外れの花火
この数週間、
VGはホットラインだけでなく、
表・裏諸々の筋を通じて、
当事者国双方との交渉を続けていた。
それが一週間ほど前にやっと実を結び、
ようやく一歩を踏み出せた。
双方の許可を得て、三十八度線、
非武装地帯の韓国側に続々と飛来した輸送ヘリは
運んできた資・機材を降ろした。
まず数台の工事車両、
それからさまざまなコンテナ。
それらが両陣営立ち合いのもと、
エリア内へと進入していく。
バリケードの一部を解除した中に、
防塵スクリーンが瞬く間に張られ、
非武装地帯の両端に接する、
およそ数百メートルに及ぶエリアが工事中となった。
しばらく立て続けに爆音が轟いた。
花火というには物騒な、地雷原啓開の轟音。
それは一日続いて止み、
すぐ建設雑音に取って代わった。
それがさらに三日ほど。
その間も、韓国側に許可された
陸路からの輸送と搬入が相次いだ。
そして…
防塵スクリーンの前に目立つよう設置された、
告知用ディスプレイが告げる。
北朝鮮と韓国、双方の人々に。
「二〇X八年、
南北交流アミューズメント施設オープン!
乞うご期待!」
世界は驚愕した。
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皆さま、良いお年を!(^ ^)




