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国家運営はもうAI丸投げで良んじゃね?  作者: 八和良寿[Yao Yoroz]
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少女たちは元気いっぱい ②




隊「汎用説明器(プレゼンター)?」



遥「この方が見かけ上、目立たないので。


 今までお使いになってた投影眼鏡(ゴーグル)だと

〝警戒してる感〟あり過ぎでしょ?


 汎用説明器(プレゼンター)つけてる人も、

 今はもう珍しくありませんし。


 もちろん精度、処理速度とも

 投影眼鏡(ゴーグル)を上回ってて、

 汎用説明器(プレゼンター)とは別物です」



副「ヘッドホンは純正品?」



遥「…に見えますけど、

 特注の先進試作品〝ウィスパーSP.Mk7〟です。


 耳骨の振動から充分拾えますから、

 今までの骨伝導マイク(くびわ)は不要。


 これで見た目はもう、

 普通の人と変わらないはずです」



隊「なるほど」



副「確かに。

 気になる探知部(センサー)は?」



遥「画素数増やしつつ小型化して

 光学探知精度は飛躍的に上がってます。


 狙撃銃の発射炎程度のハッキリした変化なら、

 3キロ先からでも探知できます」



隊「無音、無発光の

 弓とか投げナイフとかは?」



遥「弓は構える時点で探知できますし、

 投げナイフも予備動作があれば、

 投げる前に判ります」



隊「それなら飛び道具はほぼ防げるな。

 不審人物を三メートル以内に

 近づけなければ大丈夫か…」



白いジャケットを手に取ったハルが続ける。


ぱっと見、普通の女性用(レディース)スーツの

上下にしか見えない。




遥「防弾・防刃繊維を織り込んであります。


 お二方のサイズで仕立ててありますので、

 これまでよりずっと動きやすいはずです。

 これを予備含め3着ずつ。


 特殊警棒(トンファー)足甲(レッグアーマー)は、

 これまで通り袖と長靴(ブーツ)に。

 強度据え置きで二〇%軽量化してあります」





隊「うん。良さそうだ。

 違和感ないし、動きやすい。

 助かるよ、スゴく。


 できれば、リリューシャの分もお願いしたいが…」



リ「ロシア軍装の下に着ける形にできる?

 こればかりは、外見に大きな意味があるから」



遥「わかりました、リリ姉さま。

 在京で頃合いの工場にスペック送って作らせます。

 明日には現地にお届けできると思います」



リ「うっそ!早!」



副「キミ、何者?

 いくら那由多の身内と言っても、

 その手際は尋常じゃないっしょ?」



遥「申し遅れました。

 これまでの特殊装備も全部

 私とナミの共同作品ですから、ご心配なく」



副「え? 全部って?

 開発者…ってコト? 

 高機動軽装甲車(スマトラ)走査母機(キャリア)も?」



遥「はい。大半はナミの力ですけど。

 お兄さま(トッシュ)SHG(サーヴァント)名誉幹部(メンバー)になって下さったので、

 直接、那由多に特注できます。


 今後はみなさん、直接ナミに仰ってください」



隊「え?

 SHG(サーヴァント)名誉幹部(メンバー)

 ホントですか? 俊さま」



俊「ああ、そう言えば…

 貴一(きい)っさん言ってたなぁ」



副「うっそ〜ん?

 ソレって、株主(ストックホルダー)でもあるんじゃ?」



ハルが無言で(うなづ)いた。



副「未公開株だから底知れんけど、

 世界的大富豪の仲間入り…

 じゃないの?」



ナミ「配当だけでも仲間入りしかねないけどね」



遥「最高機密(トプシ)修正も受理・施行されたので、

 〝国家的VIP扱いは始まってる〟と父が。


 ご本人はもちろん、ご家族・ご友人も

 国の力で護れるそうです。

 その気になれば、自衛隊も含めて

 どんな護衛でもつけられますけど…」



隊「ってことは、俊さま…

 私たち、お払い箱ですか?」



隊長(サリー)副長(ラリー)

少し不安な表情を浮かべたが、

それを打ち消すよな笑顔で言った。



俊「ありがと、ハルちゃん。

 でも、今は必要ないよ。


 ぼくは民間人だし、

 二人に護られてるのが一番心強いから。

 今回はリリューシャもいるしね。


 もし、万が一の事があっても…」



隊「俊さま…?」



にっこりと笑って、

トッシュがさらりと言う。



俊「彼女たちと一緒の方が嬉しいから…。


 家族とリリ子とひかる、

 あと、AI国民主党(かいしゃ)

 それとなく護ってくれると嬉しい。


 タッキーによろしく」




都「それじゃ、

 まるで遺言みたいやんっ!」



美都はそう叫んで、

泣きながら

どんっ!と胸に飛び込んだ。



都「縁起でもない事、言わんで!?

 冗談(ぞーたん)でも言わんで!?

 お、おにぃちゃん!」



遊梨子(リリ子)も涙目になって怒ってる。



遊「もうっ、あたしも行く!

 学校なんて行ってらんない!」




隊「俊さま…」



パニクる少女達をよそに、

三人(おとなたち)は瞳(うる)ませて

切なげに、しかし感激を露わにしていた。


国より誰より頼りにされてるとわかり、

「何としても護る!」という決意を

新たにしたようだった。




俊「まぁ、そんな深刻にならんで大丈夫って。


 それにしても、コレ。

 普通に画像見ると、めっちゃ画質細かくね?

 まるで二人いるみたい…」



遥「画像モードは8K並みですから…


 え? 二人…って?

 あ!」



俊「あ!

 そのぅ…」



ナミ「こんな間近で本物と比べられるなんて、

 彼女の家族以外にはアナタくらいよね。

 なぎりん?」



俊「あ〜〜?

 そ、そうねぇ…」



ハルが急に耳まで真っ赤になった。



遥「ま、まさか…

 入れてるとか?」



俊「う〜〜

 うん…」



遊「何を?」



ナミ「ハルスキン」



女子全員「え?」



ハルは両腕を抱いて胸を隠す形で、

トッシュをじ〜っと睨んでいる。


いや、睨んでるのは女子全員?


それぞれ…

複雑だったり、

微妙だったり、

生暖かかったりする表情で…。




遥「へ、変な事に…

 使ってません…よね?

 お兄さま…」



俊「う、うん!

 誓って!」




今度はさすがに誰も騙されなかった。


愛情やら尊崇の念やらが急降下して、

強烈な負の感情に変わっていく。


暗く青い炎の方が温度が高いのだ。



「かわいさ余って憎さ百倍!」



リリ子を先頭に女子たちが押し寄せ、

しばらくトッシュをフクロにした。



放っとけないんだよね〜

結局、みんな。


きっと。

もう、どうしようもなく。




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