【こらむ】被災地で脚光浴びる「一夜城」
大災害からの復興には時間がかかるが、
初動での即応は、実務的なもの以上に心理的効果が高い。
部分的であろうと、目に見える進捗があるとないとでは、
住民の気の持ちようが大きく異なるし、
なににも代えがたい心の支えになる。
VGが復興即応の試金石として数カ所に建設した、
復興複合庁舎は、その一例と言えるかもしれない。
建築家・判茂氏の「紙管建築」を大規模化したもので、
十分な強度を持つ軽量な「紙のパイプ」で作られる建物は、
資材の運搬や建造が容易な上、低コスト。
設計さえ済めば、短期間に建造でき、
必要に応じて柔軟に増設できる。
実務は那由多の引いた設計図を判氏が監修する…
という工程を数度経る事で進行した。
この取り組みで、
工法をかなりのハイレベルでマスターした那由多は、
同時に必要な建材・機材の量産・常備化も進めた。
工法には特許があり、
むろん権利使用料は発生するが、
緊急性と汎用性を両立しうる工法が
ビジネスとして軌道に乗り、
安定的かつ常時使える事の意義は計り知れない。
敬意を込めて「一夜城」と呼ばれるようになった建築様式は、
被災地への緊急投入をはじめ、
多用途な軽建築として幅広く用いられるようになった。
被災地再建の拠点は二次被災しないよう、
比較的安定した高地を選んで建設されるが、
その電源には実用化したばかりの移動式衛星受電装置
「みかがみ号」と蓄電施設が配置される。
このため立地の自由度が高く、
水道工事(最寄りの管へ延伸するだけで足りる)さえ済めば、
すぐにでも稼動可能となり、
復旧作業の拠点としても活用できる。
施設には、無料給食工場と無料食堂を基幹に、
共用の大浴場、小規模医療施設、個室を基準とした居住区、
自治体の出張所など執務施設が連なる。
これが、安全宣言(さしあたっての災害終了告知)後、
24時間以内で段階的に稼働すると、
復興に必要な自治体業務や作業拠点、
宿舎などとして機能する。
むろん必要とあれば、
その周囲に仮設住宅を展開することも可能だ。
政府の出資や募金活動、
有志のクラウドファンディングなどと連携した場合、
海外の災害支援にも即応でき、
場合によっては被災当時国の政府より早く
助けの手を差し伸べることすらできるだろう。
VGが取り組む慈善事業、
「世界慈善基金」構想は、
未だ端緒についたばかりだが、
実効的施策は着々と実現しつつある。
日本企業を事実上の傘下に置くVGの一手は、
草の根的に発生して、いつの間にか
「事実上の標準」になる事が多い。
私たちが持つ、漠とした願い…
「誰もが自由で、安心して生きられる世界」
は実現するだろうか?
夢物語だと思っていたが、
あるいは思いがけず、
近い未来に実現したりするのかもしれない。
[災害支援について考える
〜防災最新事情、その基礎知識〜より抜粋]




