【こらむ】フリーライフとマナカ
「案外うめーな!」
「ぜんぜんイケるっ!」
「“おまかせ定食”一種類だけなんが残念やなぁ」
「無料なんやから、目ェつぶらなアカンやろ?」
無料給食を食べた人々の第一声は、割とこんな感じ。
食料供給におけるVGの最適化は、「給食のシステム化」という方向に進んだ。
高度な「SML」(販売・生産・物流)調整実現のおかげでメーカー直の受発注ができるようになり、食品ロスの「三分の一ルール」が「六・四ルール」になった後も、ロスがゼロになったわけじゃない。まだまだ「食べられるのに捨てられる食料」は大量に存在した。
その風向きが変わったのは、自動検査機によって食品衛生を機械的に確認し、分別調理器で自動加工出来るようになってからだ。このおかげで廃棄食の活用が急速に進んだ。
そして、短期間で消費する給食の材料に、広い意味での地産地消として生産者・小売・家庭から回収した廃棄食を利用する仕組み…無料給食が確立し、VG主導で全国に普及していった。
無料給食は誰でも無料で利用できる。マナカで予約して無料食堂に行けば、主食とおかず(保存食を組み合わせて現場で調理される)が食べられる。地域によっては生鮮食料品が提供されることもある。
寝たきりで食堂まで来れないと認定されれば弁当にして配達する事もできる。さらには、消費期限の短い非常食・人道支援用糧食として個包装食で配られたり、被災地支援のための移動給食車で配られることもある。
健康状態やアレルギー、ハラルとか宗教上の禁止事項など、諸条件はマナカの個人データに照らし合わされるので、食べられないものが入ることはなく、ひとまず安心して食べられる。
こと食に関しては、国民・外国人関係なく「飢えることだけはない」と言っていい。それどころか、日替わりで栄養バランスもよく、個人データに基づいて味・量とも適切に調整される無料給食を、健康食と前向きに捉えて愛食する人もいるくらいだ。
エリアの事情(材料調達状況、提供者の工夫や腕前)によっても内容は違うけれど、生産地に近い地方部(要は田舎)ほど材料が豊富で新鮮、美味しい事が多い。そのために生まれ故郷に居ついたり、Uターンしたりする人々が見られるほどだ。
無料食堂がほぼ例外なく公共施設に隣接・近接している事から、さまざまな世代が普通に相席し、人との交流のきっかけとなり易いので、子どもや若者、独居老人の交流拠点としても期待されている。
費用をかけて業者に廃棄してもらっていたのが無償で回収されるようになったため、材料回収は各食品業界にすぐ広まった。規格外で売れずに廃棄していた農作物や魚介類・肉類なども格安で政府が買い上げる制度のおかげで活用が進んだ。
個人が若い頃お世話になった恩返しとして、企業が社会貢献として、現金や食材などを寄附する動きもある。
もともと、生活支援や生活保護などお金で支給されてたものが一部現物支給になっただけとはいえ、垣根が取り払われて食糧支援そのものが活発に行われるようになった。
ある程度、材料費をかけられる学校給食などにも設備と人員がうまく連携できるような拡がりも見せている。
いくつかの被災地では、無料食堂と無料給食の工場を中心とした災害復興タウンの建設もいくつか着工している。ここから雇用も見込めるから、再起のきっかけになる。
無料給食は、教育費・医療費の無償化と併せて「フリーライフ」の域まで進化しようとしている。試行錯誤しながら今も進行しているこれらは、マナカによる個人情報追跡抜きには語れないが、今後も充実していくだろう。民配とあわせ、「健康で文化的な最低限度の生活」はこれまで以上に広く行き渡るに違いない。
今、この国では新規事業に挑戦するベンチャー起業家が求められている。そうした人材には、仮に挑戦して破れても生きながらえて再挑戦するしぶとさが必要だ。それには再起のために地力を養い、蓄えられる環境が欠かせない。
フリーライフはそうした人材の育成・支援まで視野に入れて設計されているのだ。
君たちもぜひ、あとに続いてほしい。
世界で活躍する挑戦者をVGは求めている。
[中2副読本
「フリーライフの基礎知識」第2章より抜粋]




