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国家運営はもうAI丸投げで良んじゃね?  作者: 八和良寿[Yao Yoroz]
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三国首脳会談は手持ちぶさた?




「ただいま戻りました〜♪」


「おかえり」


「暇そうっすね。隊長(サリー)遊里子(リリー)


「まぁ、あたしら出番ないもん。今日」



遊里子(あたし)は気のない返事をした。

まぁ、今のところそのまんまだから仕方ない。



下宿というか居候というか…

隊長(サリー)副長(ラリー)は凪家の離れに住んでて、

食卓も一緒に囲んでる。


身辺警護のため、つかず離れず

寝食共にするのはよくあるらしいけど、

こうも近くに(はべ)らなくたっていいじゃん?


江戸時代の将軍さまやアラブの王さまならともかく、

ココは現代の先進国よ、先進国!



ちなみに遊里子(あたし)()はお隣ね。



副長(ラリー)が休暇で離れている間も、

 俊さまは引きこもって在宅勤務(おしごと)だ。

 お手伝いできる事もないしな」



凪家のリビングでTVを見ながら緑茶を喫していた

隊長(サリー)がボヤいた。



「お仕事…ですよね〜?」


「そう、大事なお仕事だ」



TVにはニュース…

「日中露首脳会談、今日実施」の文字が。


凪内閣からこっち、2年ちょい。

首脳がAIだという特殊事情から、

外国との首脳会談は電話またはテレビ会議で行われるのが常だ。


絵面に乏しくTVではあんま盛り上がらないから

案外見落とされがちだけど、

首脳会談は人間が行き来してた頃とは

比較にならないほど活発になった。


日露間だけなら毎週のように行われてて、

そのおかげか、この所、日露関係はすこぶる良い。


「実質的に見るなら北方領土問題も解消しつつある」とか、

副長(ラリー)は言ってる。

たいていのTV解説者より信用できる彼女が言うんだから、

そうなんだろう。


トッシュの在宅勤務(おしごと)ってのは、

これのお供…


首相時代は一応タッキーの方がお供って事になってたけど、

まぁ、どっちでも大差ない。



あ、トッシュ出てきた。



「俊さま、お疲れさまです。

 何か飲まれます?」


「ありがとう、隊長。

 緑茶ください」


「はい♡」



嬉々としてお茶を淹れる隊長。

ナニ?アレ?あの奥さん気取り?

ムカつく〜!



「いつもお疲れさまです。

 いかがです?ご様子は」


「ぼくは横でニコニコして聞いてるだけだから。

 やっぱ米国とは真逆の態度に見えるかな?」



言うまでもなく、副長(ラリー)が尋ねたのは

“北”への対策の件。


核武装進展に対して、国際的には

抗議・非難して圧力かける事になってるけど、

国によって温度差はかなり大きい。


カンタンに言うと、米国は強硬(ムチ)

韓中露は対話(アメ)路線?



「タッキーは双方に配慮しつつ両方に噛むつもり。

 これもいつも通りか」



日本の貿易はVG(ビジー)体制下で劇的に強化された。


タッキーの母体(サーヴァント)を始めとする民間企業の連動は、

外国から「有機的」と言われてる。


IoTのビッグデータから

需要と供給をタイムリーに割り出す態勢は、

国際的に通用するんで、その範囲はどんどん拡大して、

いまや主要先進国で日本を無視できる国はない。


その他の国もそうなりつつあるけど、

“北”は例外のひとつだなぁ。



「まぁ、ぼくはタッキーさまの言う通りさ。

 これまたいつも通り。あ、リリ子?」


「ナニ?」


「近いうちに北に飛ぶ事になった」


「え?」


「ふふっ。心配ないよ。

 北は北でも北方領土だから」



見透かされた気がしてちょい慌てた。

頰が紅くなる。



「だ、誰があんたの心配なんか!

 だいたいトッシュが行ったって何の役にも立たんての!」


「ゴアイサツやなぁ。

 まぁ、ぼくもそう言ったんだけどね。

 親善訪問で、旅行気分でもいいからって…向こうが」


「国際的緊張高まってる状況では異例ですよね?

 安全面で問題あるからと、丁重にお断りしては?」


「そうも思ったけど、

 大統領ご自身に“直接出迎える”とまで言われちゃね」



こう見えてトッシュ、結構引く手あまただ。


首脳としての責任を最初から放棄してるせいで、

かえってフランクな親善訪問の部分だけが際立つらしい。


おかげで皇室を除けば、

「外人受けの良い日本人ランキング」の上位に入る。


当然、どこの国に行ってもやたら歓迎される。



「止めようもないっしょ!

 勝手に行ってくれば?」


「さいですか。はいはい。

 なんかご機嫌斜めだよな。

 コッチは仕事だってのに」



未成年ってホンット不利!

コッチは高校生で学校あるから行けないのに、

護衛の美女が2人も(はべ)ってるわ、

女性ファンはどんどん増えるわで、

気が気じゃないっての!


だって、いくらトッシュが非イケメンで

ボーっとしてるったって、若いVIPに変わりないんだもん。


隊長や副長に負けるならまだしも、

人気やらお金目当ての女に負けるとかガマンならないッ!



その時、ヘッドホン直でナミが話しかけてきた。



「まぁまぁ、

 また私が様子教えたげるからさ」


「ありがと!ナミ〜」


「ナギりんは外交上貴重な戦力よ。

 今は一民間人だけど、“元総理”って知名度は侮れない」


「わかってる。

 知らせてくれた外国での様子は全部頭入ってるもん」


「早く素敵な大人になりなさい。

 リリーが加われば私も心強い。

 きっと夫人(ファーストレディ)にふさわしい女性になれるよ」


「うん!あたしガンバる!」


「ん?なにガンバるって?」



 向こうからおマヌケな声でトッシュが訊いてきた。



「あんたには教えない!」


「さいですか。はいはい」



ガンバりますとも。

誰にも負けるもんですか!




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