【こらむ】「“その世界の片隅に”を観る会」その顛末
「その世界の片隅に」という映画がある。
戦時中の広島を描いたアニメ映画で、有志の資金が制作の大きな力になった。「観客に望まれて作られた映画」と言ってもいい。
その後、作品に感動した有志の中から「“その世界の片隅に”を観る会」が発足した。
立ち上げ当初は、「この作品を観てもらいたい」というファンが各地で呼びかけてDVDの上映会などをやる…といった草の根活動の交流会に過ぎなかった。
由里遊梨子が現れるまでは。
今や伝説となった彼女(…と、たぶんその一派)は、「考え得る全ての言語で作品に字幕をつけ、解説動画と共にネット公開する事」を提案した。その実作業を一手に引き受ける事も含めて。
作品DVDや関連商品の売れ行きをスポイルする危険性はあったが、作者と製作委員会の英断によって、それは進められる事になった。
動画は反響の波として世界中に広がった。多くの国のテレビ局から放映のオファーが来るようになり、さらに多くの人が作品に触れられるようになった。
彼女らの手厚いフォローは細部に及んだ。吹き替え版を希望する国には翻訳台本を、美しい映像をノーカットで観たいという新たなファンのためには字幕付きブルーレイを手配した。
無論、それらの版権もキチンと守られて、製作サイドに隙なく還元された。(驚くべき事に中国や台湾ですら海賊版は作られなかった)
国家体制やイデオロギー、ネット普及率などの関係で全世界とまでは行かなかったものの、某・北××ですら地下で観られているという噂も。
反戦映画と著作権の未来は、こうした保護者たちの登場で劇的に変わったと言えるかも知れない。
これはアニメや漫画の国際展開…「クールジャパン」真の発動となるのか?
これまで政府の遅すぎる対応に苛立っていただけに、期待はいやが上にも高まるが、さて!
[サイト「オッちゃんの徒然草」20X7年8月第五週]




