【社説】被災地支援、その後
台風一過、安全宣言直後から復旧活動は始まった。
域外から救援に駆けつけた人々〜自衛隊、警察、復旧支援者など〜の宿舎は避難所だけでは到底足りず、通常は野営や車中泊も珍しくはなかったが、無事だった住民宅への宿泊が急遽手配された。
この規模の人員を問題なく収容し、動かす事は人力では不可能に近く、仮想政府(VG)の予定管理力と人員掌握能力の高さを改めて認めざるを得ない。
その他、現地支援者や被災者への需要聴き取り、復旧支援者の取りまとめ・派遣、送迎用ネズミの手配・増派などVGの仕切りは多岐に亘った。
[施策例①]
地元の旅館やホテルは、被災直後どうしても風評被害を避けられないが、このキャンセルされた部屋をVGが全室借り上げた。
家に戻れない人々は仮設住宅が整うまで交代で宿泊出来るのみならず、一部は外部支援者にも解放された。
旅館・ホテル側も、満額とは言えないまでも3〜4割の売り上げが上がるのは御の字であり、ここが踏ん張り所と奮起した。結果、通常の宿泊と遜色ないサービスが提供された。
これが何よりの慰労となり、特に避難所暮らしで疲労困ぱいして精神的にもダメージを負った被災者、毎日の激務に当たった支援者には、何物にも代え難い癒しと感動を与えた。
帰宅し日常生活に戻った彼らが経験を語り、周囲を巻き込んで風評を改善する努力を惜しまず、この地のリピーターになった事は言うまでもない。
[施策例②]
被災し、多大なダメージを受けた農業だったが、比較的傷の浅い作物を再起のきっかけとして活用出来るようにと支援の手が差し伸べられた。
通常では出荷に耐えられない状態の野菜や果物にも、加工品であれば使える物は結構ある。
これら産品をむしろ増産させ、一括で買い上げ、被災地義援金の返礼品に当てた。義援金や労力に謝意を示したいのは住民の総意だったし、未来のためにもなるとあって現場は活況を呈した。
結果、普段と何ら変わりない、高品質の返礼品が生産された。それを受け取った募金者はむしろ驚き、期待以上の品々にハマったようだ。その証拠に、返礼品が行き渡った後も、通常の注文が続々と寄せられている。
こうしたVGの諸施策はまだまだあるが、どの動きも、ある意味普通で、驚くほどの事ではないと思われるかも知れない。
しかしこの施策、安全宣言直後〜つまり被災の翌日から実行に移され、返礼品など四日後には発送が開始されている。全く逡巡せず遅滞なく行われたこの動きの早さこそが、人類が経験したことのない救援活動だと断言できるだろう。
被災地の方々に心よりお見舞い申し上げます。しかし、お悔やみを申し上げずに済んだ事を、あえて不幸中の幸いと言わせていただきたい。
小生も微力ながらVGに協力する事で支援者の端に加わる所存です。一刻も早い復興をお祈りいたします。
[新日新聞 二〇X七年八月十二日朝刊]




