第拾玖話 12月21日 其の弐
クッソ忙しいみやじいです。
現在、時刻は午前九時。鳥はいないはずなのに鳥のさえずりが聞こえる。冬だというのに日差しのせいで少し暑い。よし、そろそろ羅優を起こそう。
「羅優、そろそろ起きて」
「ん?ああ、おはよう」
まだ少し寝ぼけているそれに寝癖もついている。
ボカッ
それを見て笑ったら殴られた。理不尽だ。
「もう少しデリカシーがあった方が良いと思う。じゃないと嫌われるよ?」
「はいはい。それよりもミッションの内容が解ったよ」
「え!?ほんと!?すごーい」
態度の変わり方が露骨だ。
「現金だな」
「で、で、内容は?」
「スルーすな。21日から23日の間に人を殺せ。たぶん大幅には間違ってないと思う」
「人を殺せ、か。どうしよう」
「自分たちからは殺したくない。人を殺すのは嫌だ」
「うん」
「だから、待とうと思う。襲われるのを」
「それを返り討ちにするの?」
「うん。まだ、自分たちから殺しに行くよりはましだと思う」
「もし、23日まで襲われなかったら?」
「それはそれで良いことだし、そのときは…………誰かを殺す。仕方がないことだと思う」
この世界は殺らなきゃ殺られる。そんな、弱肉強食の世界だ。まるでジャングルにいるかのよう。食う食われるの関係、それが同じ人間同士で行われる、そんな世界。
「まあそのときはそのときで考えたらいいかな」
「だね。羅優、ご飯食べる?」
「あ、うん。食べたい。ものすごく」
「うん。伝わってくる。ひしひしと」
昨日食べなかった分のおにぎりとウイダーinを食べる。飲むの方が正しいかな?のんきに思えるけど陽射しがポカポカして気持ちいい。この世界が平和だと錯覚する。現実はいつ殺されてもおかしくは無いのに。ミッションのせいで積極的に動く人が多くなる。殺し合いが本当の意味で始まる。
さっきスマホを確認したところ、生存者は20日の0時時点で543人いたのが、今日の0時時点では528人に減っている。初日は7人しか死ななかったのに昨日は15人が死んでいる。単純計算で倍だ。ミッションを解いた者は積極的に人を殺し始めるだろうから一日に死ぬ人数はもっと増える。いつ自分が殺されるか分からない。
「帝、どうしたの?そんな怖い顔して」
「あれ?顔に出てた?」
「うん。とっても」
顔には出ないタイプだと思っていたんだけどな。
「いや、ミッションのせいで危険度が増すのを憂いてただけ」
「こっちは二人だから、もし狙われても圧倒的に有利じゃない?」
「でも相手がもし二人以上ならって考えるとね」
「なかなかいないよ、契約する人なんか」
「いや、どう考えても契約した方がゲームは有利だ。だったら機会があればしたいと考えるはず」
「そっか。メールでするから、もし知り合いがプレイヤーの中にいれば簡単にできるもんね」
「そういうこと」
そう、チームプレイをしているのはなにも俺たちだけじゃないはずだ。契約には多大なメリットがある。もし相手も二人なら連携と個々の能力のバランスが勝敗、生きるか死ぬかのキーになる。個々の能力は高校生の男女二人だからたかがしれてる。でも連携はどのペアにも負けない。それだけは自信がある。
殺れるもんなら殺ってみろ。だ。
高校ってこんなにも忙しいんですね。知りませんでした。予習復習課題で勉強時間が潰れる、というか足りない。一日30時間あれば足りるのでしょうが。
そんなみやじいです。
これから部活に入ったら(文化部ですが)もっと忙しくなるでしょうし。
最近は休み時間の合間にちょくちょく書いてます。
そんなわけですから投稿がなかなかスムーズにいきませんが、どうか応援していただけるとうれしいです。