第拾陸話 12月20日 其の捌
短めです。
運営 件名:Game1
「・これはプレイヤー全員に行ってもらうゲームです。
・12月21日から23日の間にゲームをプレイしましょう。
・罰ゲームはクリアできなかった人の中の出席番号が若い人30人です。
・なお、21日から23日の間はゲームによるお金の移動が止まります。」
「なんだろうこれ?」
「ミッション………とかかな?」
意味が分からない。ゲームをプレイしましょう?そんなもの、セカンドアースにいるだけでいいじゃないか。ならば生きている人間全員がゲームクリアだ。そんなものする意味が無い。ただし罰ゲームについては何となく分かる。出席番号というのは大概名前順だ。だから出席番号が若い人30人は名前順に上から30人ということだろう。
俺はたぶん罰を受けない。名字だろうが名前だろうが、奈落寺と帝。奈落寺だけはグレーゾーンだが、500人の前から30人には入らないだろう。しかし、羅優の場合は危険だ。もし名字ならば五十嵐というほぼほぼ最初の方だ。非常にマズイ。なんとしてでもこの内容を解き、ゲームをクリアせねばならない。
「何か分かった?」
キョトンとした顔で首をかしげて羅優が聞いてくる。ぶっちゃけめっちゃ可愛いのだが顔に出さないように気を付ける。せっかくの契約者同士邪険な仲になったら困るのだ。
「いや、ただ罰を受ける人は分かった。名前………名字か名前かは分からないけど、名前順に30人だと思う。」
……………と羅優が少しの間考え、そして焦点が合ったという感じにスッキリとし、目を輝かせる。
「スゴい!ほんとだ!そっか、出席番号が名前順ってことを表すんだね!」
いつもはツンツンしているのに勉強、というか頭を使うことになると素直になるのだろうか?
だが突如羅優の顔が青ざめる。気づいたか。
「つまり私ヤバイってこと?」
イエスの返事の代わりに無言で一度頷く。
「…………………もし死んだら契約者の特性で生き返らしてね?」
「………善処する。」
だってあれ痛みも食らうんでしょ。嫌だよ、死の半分の痛みとか。
「と、とりあえず謎が解けないとどうにもこうにも……」
グーーーーー
二人のお腹の悲鳴が重なる。そして羅優が頬を朱に染めながら提案する。
「というか一旦ご飯食べよ。大分お腹すいた。」
「そういえばまるまる一日ご飯食べてない気がする。」
そう、結局セカンドアース初日から何も食べなかった、正しくは食べれなかったのだ。
「じゃあ、何かあったときのために一人づつ食べよう。先食べていいよ、羅優。」
「ん。………ありがとう。」
少し照れ臭そうにはにかみながらお礼をし、おにぎりを頬張る羅優。
守りたい、この笑顔
毎日書くと張り切っていた自分は何処へ………