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太安萬侶の序文を読んで思うに、673年頃、天武天皇の時代には、神話や歴代天皇の経歴などは得に時代順にもまとめられず、散在していて、中には本当かどうか良く分からないものも多く混じっていたようだ。
そして歴史、(中国の歴史書?)を研究していた天武天皇は、このような状態ではいずれどれがどの時代なのか、それが事実なのか嘘なのかも分からなくなり失われてしまうと考え、これらを時代順にまとめてこの国の歴史書を完成させようとすることを思いついたのだと思う。
序文によれば天武天皇はその事業を、物覚えの良い稗田阿礼に命じてそれら全てを収集して記録させたのだが、残念ながらそれはそこまでで止まってしまったようだ。