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伊邪那岐は思わずあっと驚きの声を上げてその場から逃げ出した。
「我が顔を視て逃げ出すとはなんという辱め!」
伊邪那美は激怒して逃げる伊邪那岐を捕えるため、豫母都志許売に後を追わせたのだった。
※豫母都志許売:黄泉醜女
伊邪那岐は追いつかれそうになると、身に着けていた黒御かづら【玉飾りのついた王冠?】を豫母都志許売に向かって投げた。
すると、黒御かづらは蒲子【がまのみ?【蒲の穂?】>蒲>沸?:「えびかずら」とはブドウ、エビヅルなどのことらしい「えび」とは「沫」の音の訛り??】となった。
そして豫母都志許売がそれを拾い食う間に逃げた。