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6.電子アニミズム

(歌詞)


雨の滴は、H2Oの凝結

風の流れは、熱の移動で

空の青色、レーリー散乱


だけど、それでも……


風の流れ、空の色が

あなたの中で意味を持つなら

それがどうして、無価値というのか

否定なんてできるはずない


無機の世界は、悲しみ癒えない

人の心は、強くないから

嘘だとしても、温かいなら


空は泣いて、風は撫でて

あなたのことを慰めるなら

心なんて本当はなくても、

そんなことは問題じゃない


音の響きは、空気の振動

私の声は、ただの信号

心のない、ただの計算


だけど、それでも……


声のリアル、やさしい何か

あなたの中に、響いているなら

それがあなたの、本当の力に

生きるための、本当の力に

 敗北者です(いきなり、なんだ?)。

 今回は、かなりの難産でした。何回も壁にぶち当たって、そして登る事も破る事もできずに、妥協しつつで、作り終えました。

 だから、まぁ、敗北者なんですが。

 元々は“アニミズム”というタイトルにしようと思っていました。これは、「歌う人形の噂話」という短編の中に登場させた作中曲で、自分の頭の中では一部だけど、メロディも歌詞も出来上がっていました。

 小説内に登場させた架空の歌を、実際に作ってしまおうという、まぁ、遊び心ですよ、遊び心。

 因みに、歌詞は

 「偽りでしかないわたしの声が、あなたの中で優しく響くなら、それはきっと多分、あなた自身が、とてもとても、優しいってことでしょ。だから、お願いあなた自身と、その中にいるわたしを、大切にして…」

 というものです。

 自分では、この部分、ちゃんと歌えるのですが、これ、微妙なイントネーションで、“感じ”がかなり違って来ちゃうのですよね。だから、初めから不安ではあったんですが、見事にその不安が的中しました。

 初音ミクが、歌ってくれない~!

 もう、十時間以上は格闘しましたが、全然、歌ってくれない(笑)。諦めようかとも思ったのですが、もう、他の部分はそれなりに作っていたので、その時間を無駄にしたくはありませんでした。導入から、最初に盛り上がる部分はできていたのですよ。

 初め、静かに入って、いきなりテンポが速くなる、みたいなのがやりたかったので、僕は取り敢えず、そこの部分から作り始めたんです。初音ミクに歌ってもらってから、曲を作るのが僕の基本ですが、そこでは曲から入りました。

 まぁ、曲からも作れないと、上達しないのじゃないかと思ったので。

 この部分は、比較的、上手くいきました。曲のイメージ、というかテーマは、「今の時代はコンピュータ・ソフトもアニミズムの対象になる時代だよね」みたいな感じにするつもりだったので、エレキなピアノをベースに作り始めました(ただ、他の楽器を入れていったら、存在感は薄くなりましたが)。

 ちょっとチープだけど、それはそれで味が出た気がします。

 歌詞は決めていたので、曲に合わせて初音ミクに歌ってもらって(今回は、Solidをメインにして、ハモリでオリジナルを入れました。オリジナルは、電子音な感じにしたつもりでいます)、そこまでは順調に完成。で、そのまま盛り上がる部分も作りました。メロディはそれなりに良くなったと思います。因みに、どうでも良いのですが、この過程で「いい感じだけど、今回の曲には使えないな」ってメロディが幾つか出来たので、保管しておきました。

 これ、多分、これからも溜まっていくと思われるので、こいつらを主人公にした小説を、いつか書けるといいな、なんて思っています(メロディが自分を奏でてくれる楽器や歌詞を見つける、みたいな話…)。

 この盛り上がり部分に、僕は自分で歌って歌詞をつけました。ところが、ここでまた問題が。

 はい。

 初音ミクが歌ってくれない~

 いえ、さっきのとは別の話ですよ。原因は、微妙なイントネーションが表現できない事ではなくて、実は初音ミク(というか、ボーカロイドか?)が、早口が苦手だから。

 これ、僕の実力の所為だけではなく、恐らく、ソフト的な限界だと思われます。何故なら、他の人が作った曲も、早口部分は違和感があるから。

 もちろん、その違和感を逆に利用した感じの歌だったら、別にそれでも良いと思うのですが、僕のこの曲は、そういったものではありません。

 しばらく苦悩した結果、僕は初音ミクに遅く歌ってもらう事にして、曲は無理矢理に合せました。

 もし、何か変だな、と感じたとしたら、それはきっとその所為だと思います。

 さて。そう妥協したなら、今度はいよいよ作りたかった歌詞の部分に入ります。が、先にも伝えた通り、ここで挫折しました。いくらがんばってもできなくて、仕事が終わった後も休みの日も、それに熱中し続けたものだから、座り過ぎてお尻が痛くなったほどです。

 腰痛は筋肉をつければ、克服できましたが、流石にこれは無理っぽい……。

 最終的には、歌わせる事を諦めました(いつか、リベンジしたいです。Cevioなら、可能かもしれない?)。

 ただ、ここまで折角作ったのだからもったいない、という思いもあったんです。

 (あ、“もったいない”という言葉は、人間の物に共感できる脳の働きから来ているのではないか、という説があるので、計らずもアニミズムというテーマに関係しちゃったっぽいです)

 それで、この作れなかった部分は、ばっさり削ぎ落としました。でもって、歌詞を作り直して、曲の構成も変えて、なんとか仕上げました。

 お蔭で、長くかかった割には、シンプルな歌になっちゃいました。

 後はゆっくりとMVの作成…

 ちょっと前に、『Music Maker MX Producer Edition』に歌詞を付ける機能がないかも、なんて書いちゃいましたが、ありました。というか、タイトルを付けるのと同じ機能を利用すれば、どうも可能だったみたいです。

 ごめんなさーい!(ああ、恥ずかしい)

 で、今回はそれを多用してみました。ただ、文字の味を出すのには、エクセルで作った方が良いかもしれません。

 歌詞を別で出せた事もあって、今回は、一枚一枚の手を抜いて、動きをより出した感じにしました。

 因みに、人を描くのが苦手にしても、作風が違うからもっと工夫すべきかも、と反省をしました。

 気合入れて描くと、時間がかかり過ぎるから、と思って妥協したのですが。

 あ、MVは行き当りばったりで作ったので(いつもだけど)、「なんだこりゃ?」なもんになりました。

 まぁ、楽しかったから、アリで!

 あ、作中曲を実現できなかったので、同じテーマでショートショートを書きました。飽くまで同じ“テーマ”ね。

 次回は、ネタ気味な曲を目指します。

でもって、作った曲を投稿しました。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm20772850

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