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相棒が現代の乗り物に変形できる【万乗ビークル】でした!~剣と魔法の異世界で、今日は何に乗ってどこへ行く?~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第17話 試食


「ふあ~あ、よく寝た」


『おはようございます、マスター』


「おはよう、ノア」


 目を覚ますと、そこにはキッチンカーの天井が見えた。そして車体全体からノアの声が聞こえる。


 一昨日と同様にキッチンカーの中で寝袋を敷いて寝たのだが、ぐっすりと眠れたらしい。若干床が固かったが、疲れていたのと車の中で寝られるという安心感がある。こちらの世界では宿に泊まっている時も強盗が来ないか少しだけ心配なんだよ。キッチンカーの中ならなにか異常があればノアがすぐに起こしてくれるから安心感がある。


 さて、今日はこの異世界で初めて店を開くから頑張らないとな。




「……あれっ、なんだこれは?」


「あっ、おはようございます。今日から隣で店を出させていただくソウタと申します。よろしくお願いします」


 キッチンカーの跳ね上げ式の部分を上げて販売する料理の仕込みをしていると、声がしたので外を見てみると、隣に2人の40代くらいの男女がいたので挨拶をする。


「あ、ああ。昨日はこんなものなかったから驚いたよ」


「実は魔道具のおかげなんですよ。簡易な屋台をすぐに出せるので、これのおかげで助かっています」


「へえ~そんな便利な魔道具があるのね。こちらこそよろしくお願いしますね」


 どうやらこの夫婦が俺の隣で屋台の店を開いている人たちらしい。商業ギルドから聞いた話によると、スープを販売しているお店のようだ。同じ種類の店が隣り合わせになってしまったら潰し合いになってしまうので、同じ料理の屋台が隣同士にならないように多少は考慮してくれているようだ。


 キッチンカーの前に看板を置いていたおかげで屋台として判断してもらえたようだ。動いていなければ問題はなさそうでほっとした。ちなみにこの看板は俺が書いた字だ。どうやら言葉を理解できるだけでなく、文字の読み書きもできるらしい。


「ハンバーガーですか。初めて聞く料理ですね」


「俺の故郷の料理なんです。そうだ、もしよかったら試食していただけませんか?」


「えっ、それは悪いですよ」


「実はお店として料理を売ることが初めてなんです。正直な感想を教えてくれるのがお代ということで、ぜひお願いします」


 お隣さんへ今後ともよろしくという意味もあるけれど、こちらの世界の人たちの舌に合うかはこちらからお願いしてでも確認したいところだ。


「ありがとうございます、それではお言葉に甘えます」


「どんな料理か楽しみです」


「こちらこそありがとうございます」


 お隣さんが屋台を開ける準備をしている間にハンバーガーを調理する。


 昨日のうちにパティを作ったり、野菜を切ったりしておいたけれど、パティは注文が入ってから焼く。冷めてもある程度おいしいのがハンバーガーなのだが、せっかくキッチンカーで販売するのなら焼き立てて温かいハンバーガーを提供したい。


 キッチンカーに備え付けられている鉄板でパティを焼きつつ、半分に切った丸パンの断面も焼いていく。パンも少しだけでも温かいほうがいい。そしてハンバーガーの付け合わせとなるポテトをコンロで熱した油で揚げて塩をぱらりと振る。やはりハンバーガーの付け合わせはポテトである。


 昨日購入してきた木皿にできあがったハンバーガーとポテトを盛り付ける。これでハンバーガーセットの完成だ。




「お待たせしました。こちらがハンバーガーとフライドポテトです」


「ほう、これは美しいですね!」


「ええ、すごくおいしそうです。それにさっきからすごくいい匂いがしていましたよ。あっ、こちらはうちの屋台で売っているスープです。ソウタさんもぜひ召し上がってください」


「ありがとうございます、遠慮なくいただきます。こちら3つの違うソースをかけているので、どれが好みだったかぜひ教えてください」


 屋台街には木製のテーブルとイスが並んでいる。購入したお客さんがここで座って食べられるような配慮だろう。


 ご夫婦は家で作ってきたスープを持って来て販売するようだ。俺がハンバーガーを作っている間にわざわざ温めてくれたらしい。どうやら人の良さそうなご夫婦なので、少しほっとする。


「おおっ、これはおいしいです! 温かいパンとお肉の味がすばらしく、お肉は簡単に嚙み切れるうえにとてもジューシーですな。それに何といってもこのソースがとても複雑な味で最高においしいですよ!」


「ええ、こんな料理初めて食べました! どのソースもそれぞれ味が違っていてどれもおいしいです!」


 ご夫婦がハンバーガーにかぶりつき、幸せそうに顔を綻ばせた。


 よし、やはりこのソースの味はこちらの世界の人にも受け入れられるようだ。今回作ったのは昨日俺も食べたソースケチャップと、それとは別にソースとマヨネーズを混ぜたソースマヨ、ケチャップとマヨネーズを混ぜたオーロラソースの3つがある。


 作業をするのは俺だけで手が足りないので、ハンバーガー自体の種類はひとつだが、ソースはこの3つのソースから選べるようにしておいた。他にも醤油やみりんなどで作る照り焼きソースなんかも作れそうだったけれど、さすがにそこまですると結構な手間がかかってしまうので今日はなしだ。


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