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ダンジョンマスターに転職します!

初投稿です。

よろしくお願いします。

20XX年○○月☆☆日

なんの因果か地球と異世界は結びついた。


地球某所の素粒子研究所と異世界の魔道学院附属研究所が未知への追及のため、お互いの世界に穴を開けてしまったのである。

全く同時に行われた実験により交わることのなかった世界は結びつき密かに交流を始めた。


ファーストコンタクトは上々といったところでお互いの技術、文化、資源をやりとりしていた、のだが欲をかいた一部の連中により互いの関係は険悪に、そして戦争状態に突入してしまったのである。


不幸中の幸いか両世界は紳士的な決着を望んでおり、お互いの技術を持って世界の間にダンジョンを作成し決着をつけることになった。


◇ ◇ ◇


「はあ、……やるきでねぇ」


この男 篭 真陽(こもり まよう)は授業中だというのに学校の机にうな垂れていた。

でもこれは仕方のないことだ、ほとんどの人にとってこの世界が異世界との戦争状態にあるなど知るよしもないのだから。


「キーン! コーン! カーン! コーン!」

「よし、今日の授業はここまでだ、配布したプリントを次の授業までにやっておくように」


◇ ◇ ◇


「ご飯を食べよっか」

「飯の時間になりましたね」


弁当を持ちながら俺に近づいてくるやつが二人いる、 一人は俺の友達の 聖 勇気(ひじり ゆうき)だ。

こいつはクールなやつだ、背が高くシュッとしたイケメンなのだが少し残念なところがある、どうやら自分は異世界から帰還した勇者だというのだ、その話についていけるのは俺ともう一人くらいしかいない。


そのもう一人というのが標 秀十(しるべ しゅうと)だ。

こいつはいわゆるデータキャラ、太い黒縁メガネの似合う少しチャラいやつだ、学校では情報屋を名乗っているがいろんな情報を知りすぎていて少し距離を置かれている。


こいつらとの関係性についてだがオタク友達だ、学校ではだいたい三人組で行動している。


「随分と大きなため息をついていたね、何かあったのかい?」


(ひじり)が問いかけてくる


「いや、なにもねぇよ、前やってたゲームが終わって燃え尽きた」

「そんなことだと思ったよ、そんな篭におすすめのものがあるんだ」


聖がスマホを突き出す、そこに写っていたのは

DMO「ダンジョンマスターオンライン」

俺はこれを知っていた、というかかなり話題のゲームだ、有名な動画投稿者やタレント、プロゲーマーなんかがやってるのを見たことがある。

DMOについて説明しておくとダンジョンを作って迫り来る敵を罠や策略をもって撃退するタワーディフェンスゲームである。


このゲームは色々と話題に尽きないことで有名だ、いわく

- 発売元が全く無名のゲーム会社と思えないほどクオリティが高すぎる

- ゲームの広告に出てくる人がビックネームすぎる

- ゲームに使われているAIの性能が高すぎる


そして何よりも話題になった点はゲーム内通貨と日本円が交換できるということだ、このゲームで生計を立てている人もいるらしくネットでは「職業:ダンジョンマスター」として一般にも知られている。

海外ではこのゲームで大金を稼ぎ見事セレブの仲間入りを果たした人もいるくらいだ。


「DMOかあ、知ってるよ、でもこのゲーム始めるまでが大変だって聞いたぜ」

「大丈夫、これがあれば面倒な登録なしにゲームを始められるよ」


聖のやつが見せてきたのはDMOの特別招待用QRコードとやらだ、これがあればすぐにでもゲームが始められるようになるらしい。

こんなのがあるなんて聞いたことがないが、やってみようかと篭は思い始めた。


「篭がDMOデビューですか…、DMOの情報もたくさんあるので困ったら聞いてくださいね」


標はDMOにも詳しいようだ、こいつの情報があれば頼もしい。

興味のあったゲームに手をつけることができると今日は学校が終わるのが待ち遠しかった。


◇ ◇ ◇


そんなことがあった今日、家に帰って早速もらった招待用QRコードを読み込む。


「いやまさか聖のやつがこんないいもん持っているとはな、楽しみだぜ!」


篭はワクワクしながら作業を進めていく。


「そういえばこのゲーム銀行口座の登録が必要だったような? なんで何も聞かれないんだ?」


まさか聖のやつが勝手に登録したのでは? と変な想像をしそうになったが気にしないことにした。


「っとこのゲームVRも対応してんのか」


どうやらPC版とVR版を選択できるようだ、アクションゲームではないのでVRでゲームをする意味はあまりないように思うのだが、机の上にVRゴーグルが転がっていたのでVRでプレイすることにする。


「まあVRでやってみっか、クオリティ高いらしいしな、よっと」


篭の意識がふっと電子の世界に落ちていく。


◇ ◇ ◇


ふと意識が戻るとVRゲームのメニュー画面にありがちな真っ白などこまでも広がる空間にいた。

これはちょっとしたジンクスなのだがVR空間に入った瞬間に違和感が少ないほどクオリティの高いゲームだなんて言われている。

早速だがこのゲームは当たりのようだ。


「DMOへようこそ、私はDMO管理AIのテクネと申します。あなたの名前を教えてください」


プレイヤー名の入力が必要らしい、プライバシーだったり名前にこだわる人もいるが俺は気にしない、そのまま「コモリ」と入力した。

ついで自分の見ためを変更できるようだがこれもそのままにした。


「ようこそいらっしゃいましたコモリ様、現在の状況の説明をいたしましょうか?」


チュートリアルの有無だろうか、おおよそ知っているので「いいえ」とした。

代わりに俺が説明してやろう、このゲームは異世界からの侵略者を撃退するためダンジョンを作る必要があり、その役割を担うのがプレイヤーであるダンジョンマスターということだ、俺は今から最強のダンジョンを作ってやる。


「それではこの世界の安寧のためお願いします」


視界に光が溢れる、いよいよゲームが始まった。

次回、ヒロイン現る!お楽しみに。

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