表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

 何いきなり笑いだしてんだこいつ。めちゃくちゃ怖いんだが。


「そうよね、災害レベルの敵だもの。こうでなくっちゃ楽しみがないわ!」


 少女は満面の笑みだった。

 凄く愉快そうだった。


「さあ悪党! 私は四十四代目勇者エリズリン・カイマ。正々堂々の勝負のもとにそなたを打ち破らん!」


 少女はどこからともなく取り出した黄金の剣を持っていた。

 空間から引きずり出たように見えたぞ。すごすぎだろ。


 黄金の剣は金ピカピンに輝き周囲を幻想的な世界へと変えている。

 なんだかとてつもなくすごそうだ。


「さぁ! とりあえず小手試しの一撃を喰らいなさい」


 少女は剣を上へと振り上げた。その剣の刀身が百階建てビルくらい天高くまで伸びる。

 おいおい、マジかよ、何する気だ。


「グランドホープ!」


 少女はその剣を下へと叩きつけた。

 つまり俺にジャストミートするようにだ。


 ど、どうしよう。いや、でもここは防御しかないな。


「スーパーバリア!」


 俺は適当にバリアを展開した。

 透明のやつだ。


 バリアに剣がぶつかる。

 ガキーンと凄い波動が生じた。


 結果、剣が弾かれ、俺は無傷だった。


「やるじゃない。じゃあこれはどうかしら!」


 少女は続いて剣から黄金ビームを放ってきた。

 俺はそれに身体能力強化を用いて突撃した。

 えーい、バリアだけじゃ物足りない! 生身で受けてやるぅ!


 結果、物凄い轟音で前後不覚に陥った。


「あ、あれ……」


 気づけば俺は地面に寝そべっていた。


「ふぅ、この攻撃で死ななかったのはあなたが初めてよ」


 少女がゆっくりと歩いて近づいてきた。

 俺を見下ろすように立ち止まる。

 なるほど、どうやら身体能力強化だけでは攻撃を防ぎきなかったようだ。

 体が怠い。

 あーあ、失敗したな、生身でぶつかるんじゃなかったな。


「ここで殺してしまうのが名残惜しいくらいだけど、まぁ一応私の責務というところもあるしね」


「そうだな、たしかに俺は完敗した。でも素直に殺されてやるかどうかはまた別の話さ」


 俺は瞬間移動を使った。

 場所は現時点の座標よりはるか上空、空の中だ。

 ごごごごと空気が振動し、凄い圧を感じる。


 おおー、スカイダイビングー! 浮遊感が気持ちー!


 そこで俺は回復魔法を用いた。

 俺の受けていたダメージ分は全快した。


「どうしてやろうかな」


 まぁこのまま逃げるというのも一つの手だろう。だがやられっぱなしというのも尺に触る。


「そうだ、俺はこの世界で魔族を滅ぼさねばならない。あんな女に軽くひねられているようじゃとんだ笑われ者だよな」


 俺は瞬間移動で、少女の少し後ろを取った。

 探知魔法で少女の位置はつかんでいたので簡単だった。


「なっ!?」


「拘束!」


 俺は少女を見えない鎖で縛った。

 少女は地面に繋がれ、全くもって不自由な状態になってしまっていた。


「な、なにをしたの!?」


「簡単な拘束魔法だよ。因みに今始めて使ってみたんだけど、君でもこれを打ち破ることはできないのかな?」


「ぐ、ぐぐぐぐ……」


 少女は決死の表情で力を入れていた。

 だがそれも虚しく、見えない鎖が引きちぎられることはなかった。


「さぁ、どんなことをしちゃおうかな。正直なんでもやりたい放題だよな」


「あ、あなた、一体、なにもの……」


「俺か? うーん、まぁ将来的に魔族を滅ぼす者かな。まぁ俺が何を成し遂げようが、君が知ることはないのかもしれないけど」


「……」


 少女は唇を僅かに噛み締めた後、ふっと笑ってうなだれた。


「殺しなさい……私の負けよ」


「じゃあそうさせて貰おうかな」


 俺は少女と同じように黄金の剣を生成し、適当に構えた。

 目には目をってやつだな、まぁ同じくなぞらえるなら刀身からビームを出したほうがそれっぽいんだろうけども。そうしようかな。


「おりゃあああ! しねええええええ!」


 俺は剣を振り下ろした。

 少女は全てを諦めたのか、うつむいたままだった。



 スカ。



 俺の振り下ろした剣は、少女を捉えることはなかった。

 少女の真横を通過したからだ。


「え?」


「なーんてな、冗談だよ。俺が君みたいなカワイコちゃんを殺すわけないだろ。俺は襲われたから反撃しただけであって、別に何が何でも君たちを殺そうと思っていたわけではない」


 俺は剣をわざと外していた。


「な、何が目的……もしかして、私に何か命じるつもり?」


「いや別に? 特にして欲しいこともないしな。俺は俺の道を歩むだけだから、君たちには関係ないし。ああ、でも勇者っていうんなら魔族と戦うこともあるのかな。その時はもしかしたらご一緒させてもらうことになるかもしれないね」


 正直殺してもいい。

 でもなんとなく負けを認めてる相手を一方的に殺すのはカッコ悪い気がした。いや、まぁ別にその辺を気にするような人間でもないんだけどさ。


「じゃあね、またどこかで会おう」


 俺は少女の拘束を解除し、踵を返した。

 正直今の戦闘で、戦いのコツは掴めた。

 結局魔法が最強なのだ。

 なんでもありなら、絶対に負けないような魔法を使えば良い。

 もうすでに相手のあらゆる攻撃を自動的に防御する魔法を俺自身に掛けておいたし、身体能力もわざわざ意識せずとも瞬時に最大レベルまで自由に引き上げられる魔法も掛けておいた。

 もう俺が今後遅れをとることはない、たぶん。


 さてと、ちょっと遅れたけど街にいくとしますか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ