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 ゆ、勇者パーティーだって……?


 俺の前に現れたのは、五人組の男女だった。

 女が二人、男が三人。

 そして先頭に立つ女が代表らしく、まっさきにそう自己紹介したのだ。


「あなたが今回の討伐対象……ということで間違いないかしら、リジュラ様」


「ええ、間違いません。私の妖術に狂いはありません、こやつを放っておけば近い将来街単位の災害が発生いたします」


 先頭の女に答えたのは、怪しげな外套に身を包んだ女だった。声がしわがれている。結構歳なのか。


「この方は大妖術の大船大仇使徒であられるリジュラ様よ。占いの腕は百発八十五中。殆どの確率で未来を当てる大妖術使いよ」


「私にお任せください。あー見える。見えます。早くこの悪の権化を滅ぼさねば、世界に邪の波紋が広がってしまう!」


「というわけよ。つまりあながたどう言い訳をしようが、あなたは相当にやばい悪だということは確定なの。どう? 流石に理解できたでしょ?」


 代表の女は得意げに尋ねてくる。


「いや、すみません。正直全くワケわかんないですね。なぜ僕が狙われる必要があるというのですか。僕はまだ何も悪いことをしていないというのに」


「まだって言ったわね? てことはいつかする予定があるってことじゃない」


「言葉のアヤだから。そんなしょうもない揚げ足取りをするためだけにアンタは生きてるのか。てか勇者ってなんだよ、ごっこ遊びかなにかだろ? なんで殺されなければならないんだ。そもそもアンタたちはなぜ悪者を討伐しようとしてるんだよ俺は悪者じゃないけど」


「それは――」


「それはもちろん、世界に平和をもたらすためですよ」


 代表っぽい少女を遮って、となりの男が口をはさむ。

 その男は立派な騎士鎧に身を包み、朗らかな笑顔がちらちく優男っぽいやつだった。


「この世の全ての悪を滅ぼしてこそ、我らに真の平和が訪れるのです」


「ふん、よく言うわよ、どうせ私におこぼれしたいだけの権力狙いでしょ」


「何をおっしゃっているのか全くわかりませんね」


「ま、ともかく、私たちは勇者パーティー。悪は絶対に許さないというわけよ。それじゃどんな戦いをしてくれるのか、見てみようかしら」


 少女はそう言ってニンマリ笑った。


「……どけ、俺がやる」


 するとそこにさらに後ろの男が名乗りをあげた。

 彼はマフラーみたいなもので口元を隠しており、なんとなく忍び感のある装いだった。


「はぁ、ルウド……まぁ別にいいわよ。あなたに殺せない相手となれば、それこそ倒しがいがあるというものだからね」


 代表の少女が許可したようだ。

 えー、なんか知らないけど、俺こいつらと戦わないといけないの? しかもめちゃくちゃ強そうだし、俺死んじゃわないか? 死ぬとしたら絶対に戦いたくないよ。でも逃してくれそうにないしな。瞬間移動で逃げちゃうか? いや、それは男として違う気がするな。仕方ない、魔法を試してダメそうだったら仕方なく撤退するプランでいこう。


「やーい、やれるもんならやってみろーい。俺の方が強いやーい」


 俺はとりあえず挑発してみた。

 これになんの意味があるのかは俺ですら分からない。

 ただなんとなくやりたくなっただけだ。


「ふふ、口だけにならないようにね」


 少女が余裕たっぷりに微笑む。

 よし、それじゃあめちゃくちゃやってやるぜ。

 どんな魔法がいいかな。とりあえず全体攻撃的なのがいいよな。

 でも少女はなんとなくメインディッシュに取っておきたいから、少し範囲は絞ってみるか。


 俺は光線を撃つことに決めた。

 これなら狙いも絞りやすいし、なんとなくイメージも付く。


「いくぜ! スーパービーム!」


 俺は右手から光線を放った。

 超極太の、エネルギー砲みたいな明らかに高威力のビームだ。

 ギュインという物凄い音と、風圧が周囲を駆け巡る。


 そして光線は今まさに名乗りをあげたマフラーの男に見事直撃した。

 光線がしばらく続き、全て通り抜けた後、そこにマフラーの男はいなくなっていた。ついでにその横にいた、髭が生えていた気がする男もいなくなっていた。


「……は?」


 その声は相手の方から聞こえた。

 誰が言ったのだろうか。尋ねてみようかな、でもそこまで気にならないからやめとこうっと。


「今度は火炎放射!」


 俺は今度は少女の逆サイドの二人に狙いを絞った。

 同じ光線じゃ面白くないので、今度は燃えたぎる炎を放った。

 まぁ結果は大体おんなじような感じで、優男と占い師みたいな女を一瞬で飲み込み、炎がなくなるとやはりそこに二人の姿はなかった。


「うーん、遠くの方に逃げてるとかはあるのかな」


 俺は探知魔法を発動した。

 反応は一つだけだった。

 つまり目の前の少女だけだ。やはり彼らは即死したようだった。


「さぁ、最後に取っといたぞ、あんたが代表だろ、勇者パーティーとやらの」


「ふ、ふふ……ふふふっ、あははははは!」


 どういう反応をするのかと思いきや、少女は愉快に笑い出した。

 怖い、どうなってんのこの人の情緒。仲間がやられたんだぞ? 俺だったら悲しくて泣くところだな。この人の精神マジでいかれてるわ。

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