表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

12

 俺たちは転移でとある街にやってきていた。

 どういった街なのかは分からないが、先程の探知魔法を通してみたところではそれなりの規模はありそうだ。


「ともかく俺は金を稼がないといけない。それはこの世界を知ることにもつながるんだ。だから余計な邪魔だけはしないでくれよ」


「私がいつ邪魔をしたというの? ぐずぐず言ってないで早く行動しなさいよ。何をするの?」


「はぁ、とんだじゃじゃ馬娘だな。おーけ、俺のターンだ」


 まぁこのエリザとかいう女がいなければ俺は今頃軽やかに行動を開始しているところだったのにな。とはいえこうやっていろいろ考えてるのが無駄だからもういいや。


「お金か、この世界の一般的な稼ぎ方ってなんなんだろう」


「さぁ、人口的に一番多いのは農業なんじゃない? どこかの文献で見たような気がするわ」


「農業はアホだろ。そんなことやって何が楽しいんだ。俺ははつらつに働きたいんだよ。そんなジメジメしたしょうもないことしてどうなるってんだ」


「まぁそれもそうね。じゃあやっぱり傭兵とか騎士団に入るとかじゃないかしら。それか冒険者なんてのもいいかもね。荒くれ者の集団ってところが傷だけど」


 なるほど、やっぱり戦うのが一番いいよな。


「じゃあなんとなく傭兵にしようかな。傭兵ってなんかかっこいいし」


「それなら傭兵ギルドに行くことね。どうせ登録なんてしてないんでしょ」


「してるわけないだろ。ついさっきこの街に来たんだ」


「一応言っとくと傭兵ギルドは世界各地に展開してる機関よ。だからこの街以外にもたくさんの街、いえ、それどころか国をまたいで点在してる。だからあなたの今の『ついさっきこの街に来たんだ』という発言は傭兵ギルドの概要をまるで把握していないことが完全に露呈してるわ。もし傭兵ギルドがなんたるかを知っていれば、この街に来たことがなくとも、他の街ですでに傭兵ギルドへ登録しているという事象も十分にありえることが理解できるはず。その点あなたの今の発言は全くもって無意味だということを分かっていただきたいんだけど」


「すごいな。どんだけ間違いを指摘したいんだよ。わかったよ降参だ。俺はどうやら全く知識のないぼんくらなようだ。じゃあこの街の傭兵ギルドにいけば、登録できるということなんだな?」


「正しくその通りよ。早速いく?」


「そうだな。こうやってても仕方がないし、お金が稼げる手段が目の前にあるというのに昼寝をかますわけにもいかないだろう。俺は傭兵ギルドに行くとするよ」


 そういうことになった。

 しかし場所が分からない。

 エリザさんに聞いてもわからないということだったので、適当にその辺のじいさんに聞いて教えて貰った。

 歩いて十五分くらいの場所にあるというので、ダッシュして向かった。少し道に迷いながらも五分くらいでついた。


「ここか……」


 傭兵ギルドと思しき場所についた。

 見上げるほどに高い建物――といっても三階くらいだが――に厳つい看板と装飾。トゲトゲのハンマーみたいなイラストも書かれてるし、ここが傭兵ギルドで間違いないのではないか、知らないけど。


「ちょっと、流石に飛ばしすぎよ……」


 後ろを付いてきていたエリザが呆れたように言っている。


「いいだろ、早く着くに越したことないじゃないか」


「走る衝撃で何人か通行人吹き飛ばしてたわよ。あの人達どうなっちゃったのかしら」


「過去のことは知らないよ。事故みたいなものだろ。そんなことよりここで合ってるんだよな?」


「はぁ、そうね。ここが傭兵ギルドよ。というか文字が書いてるでしょ」


 よく見てみれば、デカい看板の横に小さい看板があって、そこに傭兵ギルドと日本語で書かれていた。

 なんだろう、思いっきり日本語ってなんか逆に違和感。勝手に翻訳されてるとかなのかな。全然わかんないな。その辺の説明ももっとしてくれればよかったのに神様。


 ともかく俺たちは正面から、正々堂々と中に入った。


 正面に受付があったので、向かう。


「ようこそ、傭兵ギルド・ルジャ支部へ。依頼の要請でしょうか?」


「いえ、傭兵になりたくてやってきたんですけど……」


「傭兵希望……ということですね」


 受付には三十手前くらいのお姉さんがいたのだが、俺がそう発言すると少し困ったような顔で俺の体を見てきた。なんだ? もしかして駄目なのだろうか。


「駄目ということなんですかね……? なにか条件があるんですか?」


「いえ、もちろん最終的には入門試験を受けるということになるのですが……一つだけ忠告の方しておきますと、傭兵という職業は武を持たぬ庶民に変わって力を行使する集団のことです。ですので傭兵として暮らしていくにはある程度、いえ、十分に戦える程度の肉体と武術が必要ということになるのですが……」


 え? ああ、もしかして俺の戦闘力について心配してたのかな。

 なるほど、確かに見た目は完全なるひょろひょろ高校生だもんな。こんなのが戦えるとは思えないよな。よっしゃ、じゃあ俺の力の一部をよっと見せちゃうとするか。そうすれば安心もできるだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ