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 やばいガチでボッチだどうしよう。


 俺はとにかくボッチだった、現在とある高校の体育の授業中。走り高跳びという競技をやっているのだが、俺は絶賛ボッチ中だった。全校生徒で一斉に行う競技なのだが、ほとんどのものが手をつなぎながら棒を乗り越えているのに対し、俺は完全に一人で棒を飛び越える羽目になっている。

 ああ、なんでこんな人生になってしまったんだ……俺はどこで人生を間違えた、こんなことになるはずじゃなかったのに……仕方ない、こうなったらとことん走り高跳びを楽しんでやる、俺は走り高跳び全日本代表になってやる!


 あれは走り高跳びの場所を独占することにした。

 一度飛んだあとも、すぐに戻って何回も連続で飛び越えるという行為を繰り返したのだ。すると当然のように背後からぶうぶうと言われだした。


「おいなんで何回も連続でやるんだよ、順番は守れよ、もう一回並び直すのがマナーだろ?」


 後ろにいる男に指摘されてしまった。

 なんだようるせーな、俺はとにかくボッチなんだよ、これが許されないというのであれば普通に死んだほうがマシだって。ふざけんな。


「もう死んでやるぅ!」


 俺は自殺することにした。

 こんな人生もうまっぴらだ。なんのために生きているのか。俺のこんな人生歩むつもりはない。こんな現世は捨てて、来世に期待していくほうがよっぽいど良いというものだ。


 俺はダッシュで学校を抜け出し、目の前の交差点に脇芽も振らず突っ込んだ。

 いや、厳密にいえば突っ込もうとした。本当に躊躇がなかった。自分でも驚くほどにだ。よっぽどストレスが溜まってたんだろうな、こんなにあっさり死を選ぶことができるとは。



 バリリリリリリリリリリ!!



 だが俺は車に敷かれて死ぬわけではなかった。

 天から雷が降ってきて、それに打たれたのだ。

 なんでだよ、せめて俺の意志で死なせてくれよ……ああ、本当についてない人生だったな。






「ごくろう」


 目が覚めると知らない場所にいた

 どこかの遊園地のような場所だった。

 けれどどのアトラクションも稼働はしておらず、人気も目の前の一人を除いて皆無だった。


「えっと、」


 目の前の人物はやさぐれた感じの男だった。

 適当なポロシャツにジーパン。顔はヤギだ。比喩ではなく、動物のヤギの頭部をしているのだ。正直なぜだかは分からない、目もぱちくり動いているし、口もものすごくリアルに動いている。仮面でもなさそうだ。となると超最新の特殊メイクだったりすのか? いや、そんなことよりこの状況だ。


「困惑しているね?」


「当たり前じゃないですか。ここはどこなんですか? 僕は雷にうたれましたよね?」


「そうだな、まさしくそうだ。よく覚えているな? 雷にうたれれば普通は即死するというのに、君はなぜか雷にうたれたということを自覚している。それは当たり前のようで、まったくもって不自然なことのように私は思うのだがね」


 そう言われてみてなぜ俺が雷にうたれて死んでしまったことを自覚しているのか考えてみる。

 確かに俺はなぜだか轟音が鳴り響いた時に雷にうたれたと直感することができた。でもそれがなぜだかはいくら考えたってわからない。どこか特殊な次元にいる人物が、まるで自分を客観的に見下ろしていて、その人物が客観的に見た事実を俺の頭に当たり前のように知識として付与したかのようだ。


「確かに、なぜだか僕は雷にうたれたという事実を認識しています。これにはすごく違和感を覚えます」


「そうだろうね、普通はそう思うだろう。だが私はなぜそんなことが発生しているのかということを知っている。教えてほしいかい?」


「その事実を知ることができるというのであれば、断る理由が全く見当たりません。もしかするとこの事実は別に知る必要はないのかもしれない。知らずに死んでいったところで、今後の僕の人生においてなんら影響は及ぼさない可能性もあるでしょう。ですが僕は知りたいと思った。その心ひとつで、十分に尋ねる価値はあると思っています」


「おーけー、そういうことなら私も腹をくくる必要があるのかもね。知識を欲している子供を前にして、高みの見物を決め込めるほど私の性格はひねくれていないものでね。でもその知識を君に教えることはできないんだ」


「え、なんでですか? 明らかに今は教える流れだったと思うのですが、もしかして何か僕はあなたの機嫌を損ねるような行為をしてしまいましたか?」


「いやいやそういうわけではないよ。君はすごく立派に君という人間を演じることができている。十分社会に通用する逸材だと思うよ。私が君に知識を教えたくない理由というのはたったひとつだ。それは知識を私ひとりで独占したいからだよ」


「それはどうしても独り占めしないといけないことなのですか? どうにかして教えていただくことというのはできないものなのでしょうか?」


「厳しいね。私はもう君に教えたくないという感情を知ってしまった。独占する気持ちよさを知ってしまったんだよ。この気持ちよさをを超えることができる新たな感情を覚えるならば、また話は違ってくるかもしれないが、この感情を知ってしまった以上もう無理だ。私は君に一切を教えるつもりはないよ、ごめんね」

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