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最強聖女は追放されたので冒険者になります。なおパーティーメンバーは全員同じような境遇の各国の元最強聖女となった模様  作者: 山外大河
五章 聖女さん、過去の清算をします

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11 聖女さん、抱え込む

「確かにこれ見ても、マジで何にも分かんないね。完全に専門外」


 なんとか。

 なんとか普段通りを装う。


 表に出しちゃ駄目だ。


 ……やるべき事は見えたけど、やり方は考える必要が有って。

 だけど考えなくても分かる事として、他の皆を巻き込むようなやり方はやっちゃ駄目だ。


 自分の問題に他人を巻き込んじゃいけないなんて、正論風の事を言うつもりはないけれど、これだけは駄目だ。

 ……そういう事に手を染めた事が無い人達は特に。

 関わらせる訳にはいかない。


 だから。

 今この瞬間は。

 いつもの自分を見せなきゃ駄目だ。


「でもこれの写し持ってドルドットに戻るのはアリかも。あの馬鹿共の手ぇ借りるのは癪だけど、それこそ未来予知ぶち壊した爆心地みたいなもんだし、何かしら分かる事があるか……も?」


 ……マズいね。

 明らかに……しーちゃんだけが、私が勘付いた事に勘付いている。

 私がそれに気付けるならば、向こうも同じだ。


 それだけちゃんと、私の事を見ていてくれていた。


 そしてしーちゃんはゆっくりと立ち上がって、私の方に歩み寄って来て……私の肩に手を置いて言う。


「ごめんあっちゃん。ちょっとこっち来て」


「え、でも今から色々……」


「いいから……皆も、ちょっとあっちゃん借りてくけど良いよね?」


「……ああ」


 しーちゃんの言葉に代表してマルコさんがそう言って、それに続くように皆が頷く。

 皆、といっても、ぱっと見シルヴィとシズクは困惑気味だったけど。


 ……きっと、あのクズと対峙した皆は、今のしーちゃんとのやり取りを見て色々と察したみたいだった。


「えっと、なんかよく分からないけど、ちょっと席外すよ」


 言いながら立ち上がる。

 分かってる。

 ……良く分からない事なんて何もない。


「じゃあ着いて来て」


「一応マフィアの事務所なのに、自由に動いてるの凄いね」


「……」


 私の相槌に返事はない。

 ……それが無くても分かっているけど。

 今のしーちゃんは、おふざけ一切無しの真面目モードだ。

 まあ分かるよ。

 しーちゃんは大事な時に茶化したりしない。

 しないでいてくれる。

 そういう人だから此処に居るんだと思う。


 そして部屋を出て少し離れた所でしーちゃんは言う。


「あっちゃん、とりあえず防音の結界とかって張れる?」


「張れるけど……そこまで皆に聞かれちゃまずいような話?」


「別にあっちゃんが要らないっていうなら、無くてもいいけど」


「……ちょっと待ってて」


 一拍空けて、私達を包み込むように防音の結界を展開した。

 これで、皆が無理矢理ガードを突破したりしない限りは、この結界の外に音は漏れない。


「張ったよ。張ったからさ……話始めよっか」


「そうだね。こうなったら慎重に探り探りやってく事じゃない。そもそもそういうのウチの柄じゃないし」


 しーちゃんは小さく息を吐いてから私に問いかけてくる。


「さっきの話に出て来た、敵の正体……気付いたんだよね?」


「……うん」


 そう言って静かに頷いた。

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