48 聖女さん達、出発 下
その後私達は都市の外へと移動した。
本当はシズクの家から私の家まで転移すれば一発で移動できるんだけど、流石にドルドットの中に目的地がある今回は、私の家がスタート地点になるのはマズイと思う。
だからリュウ君に乗せて貰って普通のルートでドルドットへと向かう事に。
そんな訳で、街中でリュウ君を乗り回す免許を持って無い私は外へと移動してきた訳だ。
……うん、こういう細々とした移動結構ダルいし、諸々の事が終わったら免許センター行って取ってこないと免許。
……諸々の事が終わった後でね。
「出てきて、リュウ君!」
リュウ君を出しても良い所までやってきてから、リュウ君を外に出す。
「これがリュウ君……立派な飛竜ですわね」
「でしょ! 可愛いし最高だよね」
リュウ君しか勝たん!
って浮かれてる場合じゃないや。
「あ、ミーシャちょっと下がってて。はいリュウ君落ち着いて落ち着いて! ミーシャは私達程頑丈じゃないから! 勢いよくじゃれ付いたら大怪我するかもしれないから!」
「も、もしかして私今命の危機でしたの?」
「リュウ君のじゃれ方凄いですからね」
「ボク達じゃなきゃワンチャン死んでるっすよアレ」
ほんとそう。
私や皆の場合は笑い話で済むけど、ミーシャ相手はちょっと洒落にならない。
……とまあそれから少ししてリュウ君が落ち着いた所で。
「じゃあ行くよ。皆リュウ君の背に乗って」
「だ、大丈夫ですのよね? よ、よろしくお願いしますわ、リュウ君」
「ボクもよろしくっす」
「お邪魔しますリュウ君」
全員乗り込み準備完了。
「そんな訳でリュウ君よろしくね」
私の声に同意するようにリュウ君が喉を鳴らす。
いつでも行けるみたいだ。
「よーし出発! やる事やってさっさと帰ってこよう!」
こうして自宅以外にはもう戻る事は無いと思っていた、ドルドットへの里帰りが始まった。