23 聖女さん達、雑に仕事を終わらせる
その後、後ろに控えて貰っていたシルヴィとシズクに一連の会話をさくっと説明した。
「なるほど、それだけ凄い人が着いてきてくれるなら色々と事が進みそうっすね……えーっと、失礼っすけどお名前なんていいましたっけ？」
「なあ、ワシ本当に偉人なのか？ 今の所ちゃんと認知していたのはアンナ。お主だけなんじゃが？」
「ま、まあ我々の界隈ではって感じだよ」
「ま、まあその界隈外のボクでも、なんか昔に凄い人が居たってのは聞いた事あるんで、多分歴史的に有名な偉人っすよ多分……」
「シズクそれあんまりフォローになってなくね？」
「まあ別に無理してフォローする必要も無いですよ」
「し、シルヴィもそろそろ許してやったらどうだ？」
「いや、まあ体乗っ取られてたのは……まあ結果的に助かってるし、これから協力してもらえるなら許したって良いかなとは思うんですけど……なんでですかね。体乗っ取られた事以上にイライラする何かがあるといいますか……なんなんですかねこれ」
知ってるけど言えないよ！
怖いし、あとなんか酷だし。
「まあ共闘関係という事でよろしくお願いします」
「う、うむ……そうじゃな」
と、とりあえず考える限り最善の形で着地してくれたかな……最善かなぁ？
そして仕切り直すようにレリアさんが言う。
「とにかく何をするにしてもまずは此処を出る事じゃな。えーっとお主らは此処に仕事をしに来たと言っておったが……具体的に何をしに来たのじゃ？」
「此処の元家主が忘れ物をしたみたいでよ、それを回収してくるのが今回の仕事だ」
「忘れ物……ちなみにどんな物じゃ？」
「鞄らしいっす」
「……っていうかちょっと待って」
今更だけど一つ気になる事があってシズクに問いかける。
「その手に持ってる鞄……何？」
「ああ、シルヴィさん治療してる時に壁際に落ちてるのを見つけたっす」
「……それじゃない？」
「なんか聞いてた特徴とも似てるよな」
「多分これでしょうねって話をさっき少しシズクさんともしてました」
「うん、ボクもこれだと思うっす」
「「「「……」」」」
「という事はお主らの目的は無事達成って事になるの」
「う、うん……そうですね」
わ、私達四人揃っての初仕事、とんでもなく雑な終わり方しちゃったぁッ！
