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29 聖女さん達VS影の男Ⅳ

「なんだ、そっちも大層な隠し球を持っているじゃないか」


「しかも体に纏う奴の次だから、二つ持ってた感じだね。もう言ってること無茶苦茶だよアイツ」


「フハッ! 結局の所よぉ! 好きなように勝てればそれで良いんだよなぁ! いくぞぉッ!」


 そして無駄に高いテンションの掛け声と共に影の巨人は動き出す。

 動き出すけど……まあ私達は別に焦る事もなく。


「どっちがやる?」


「そうだな……さっき話した通り、本体は俺がやる。だからコイツはお前に任せてもいいか?」


「了解」


 そう言って私は掌を影の巨人へと向ける。

 そして風属性の魔術を展開して風を起こして手元で圧縮して――


「えい」


 そのまま圧縮した風の球体を影の巨人に向けてぶっ放した。


「な……ッ!?」


 影の巨人を中心に、爆風が巻き起こる。

 それこそドラゴンとかでも倒せるような強い爆風が。


 そんな爆風を食らえば……まあ大体の相手を倒す事ができる訳で。

 

「……は? え、なんだこの威力!? はぁ!?」


 あれだけイキリ散らして用意した巨人は、一瞬の内に影も形も消えて無くなった。

 それはもう跡形もなく。


「で、誰の勝ちって言ったっけ?」


 まあ簡単に潰しはしたけど、切り札として自信が持てるような強力な魔術だって事は流石に分かって。

 だからこそ仮にもう一体出してくるとしてもある程度の時間が掛かる事も分かって。

 

「……ッ!」


 もうどうやっても私達の勝ちでしょって。

 向うと違って慢心とかじゃなく、確信的にそう思う事ができる。


「さて、隠し玉が無いのなら俺達はさっさと進ませて貰うとしよう」


 そう言ってルカはこれから殴りますよと言わんばかりに指を鳴らす。


 対する男はというと……凄く苦い表情を浮かべていた。


「あああああ! くそ! なんでこうなった!? 話しとちげえじゃねえかよおい!」


 男が凄い見苦しい声を上げる。

 ……さ、最後までうるさいなコイツ。


「折角すげえ力使えるようになったのに! なんもうまくいかねえ!」


 もしかしたらこの先コイツの本体とも戦うかもしれないんだけど、その時もこんなにうるさいのかな?

 ……やだなぁ。


「ガキは壊すなって言われてっから何もできてねえし!」


 あ、子供は無事っぽい。

 良かったぁ……。


「結局あの馬鹿みたいにカンの良いシエルとかいう女と、ミカとかいう結界使いに一発ずつ蹴り入れただけじゃねえかよ! 全然足り――」


「「……あ゙?」」


 一瞬、自分の喉から出てきたとは思えないような、ドスの効いた声が漏れ出した。


「え、急に空気が変わ――」


「「お前今なんつった?」」


 そんな声は止まらない。

 止まる訳が無い。


 お前マジで今なんつった?

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