ヒロインと悪役令嬢、行動開始!
本当にすみません。めっちゃ嘘つきました。お正月を越してもうひな祭りです。
お待たせしました。
楽しんでいただければ嬉しいです。
午後の授業が終わり、クラブ活動などの時間となった。
この世界の学園では、平民も貴族も学園に通っているため授業終わりは平民は家の手伝いや学園のクラブに所属して自分の得意なことを伸ばして卒業後の就職に生かしたり、貴族はサロンの様なものを作り人脈を広げるためや貴族社会で生きていくための交流をメインとしている。
まあ、私は計画のためにメッシーナ・オルドー公爵令嬢の所属しているサロンに所属して協力してもらおうと思っていまーす!あと、平民多めの料理のサロンにも所属するつもり!婚約破棄した後のために準備しておかないと!
「サリア?今日は何をするの?」
「今日はね、メッシーナ嬢と仲良くなろうと思うの!」
授業の終わった教室で2人で作戦会議をしていた。
「サロンで仲良くなれば全然不自然じゃないし、卒業は3年後なんだから早めに仲良くなっておけば後々やりやすいからね!」
「そうね、私もサロンには入ろうと思ってたし、サリアと一緒にいないと何かやらかしそうな気がするから一緒に行くわ。」
「じゃあ、決定ね!早速いきましょう。」
メルと一緒に世間話をしながらサロンがある棟に移動いると、殿下が後ろから声をかけてきた。
「これからどこかいくのかい?」
「えぇ、これからメルと一緒にサロンに行こうと思ってましたの。」
「殿下もサロンに行かれるのですか?」
私が答えて、メルが質問すると殿下は少し残念そうに言った。
「私も行きたいのだが、王宮での仕事があるからあまり参加することができないんだよ。」
「そうなのですね、大変だとは思いますがお仕事頑張ってください。」
「ありがとう、サリア。サリアの顔が見れたから頑張れそうだよ。…では私はこれで失礼するね、また明日学園で。」
そう言い残して殿下は去っていった。殿下が去って行った後、メルが呆れた様な顔をしたが聞いても教えてくれなかった。
再び歩き出し、サロンが開かれている場所にいくと新入生歓迎会が行われていたのでメルと入ってみると上級生の令嬢がたくさんいる中に混じって新入生の姿も見られた。
ちなみに学年は3学年あり、制服にそれぞれの学年の色が入っているため見分けやすい。
入り口の近くにいると、上級生の令嬢が私たちの近くにやってきた。
「新入生の方かしら?今歓迎会をやっているからあなたたちも参加していってね。私は、エミリア・コンラートです。このサロンのまとめ役の様なものをやっているわ、わからないことがあったら気軽に聞いてね。」
コンラート公爵家の令嬢だったのか。とりあえず挨拶しよう。
「「はい、ありがとうございます。」」
「私は、サリア・クローディアと申します。お気遣いありがとうございます。」
「メルティナ・エルドーと申します。よろしくお願い致します。」
「あら、クローディア公爵家の方とエルドー伯爵家の方だったのね、こちらこそよろしくお願いします。」
お互いに挨拶した後は、エミリア様のご友人も含めてお茶会の様になった。だが、はやりのドレスやお菓子の話題から、学園での過ごし方のアドバイスをしてくださりとても楽しい時間が過ぎた。周りを見てみると、やはり公爵家でありこのサロンのまとめ役であるエミリア様と交流を持ちたい令嬢は上級生にも新入生にも多いようで視線を多く感じた。
「エミリア先輩、私たちはそろそろ失礼させていただいてもよろしいでしょうか?他の先輩方や同級生とも交流を深めたいと思っておりますの。」
「あら、もうこんなに時間がたっていたのね、ごめんなさいね。また今度ゆっくりお茶会しましょうね、サリアさん、メルティナさん。」
この短時間に先輩呼びに変わるぐらい仲良くなった。
「その時はぜひ、ご一緒させてください。」
「今日はとても楽しい時間を先輩方と過ごせて楽しかったです。また、ご一緒させてください。」
失礼します、と言い私、メルの順でお礼を言った後その場を離れた。
「とても楽しい時間だったわね。」
「えぇ、先輩方のお話はとても楽しくて、時間を忘れてしまったわ。サリアはよく気づいたわね。」
「もちろん、楽しかったけどちゃんと目的を忘れていなかっただけよ。私たちの自由のために!」
「ちょっと、サリア様?私たちのお話しませんか?新入生同士ですもの、交流を深めなくては。」
メッシーナが扇で口元を隠しながら小馬鹿にしたように話しかけてきた。
丁度いい、と心の中でほくそ笑んでしまった。いけないいけない。メルの方を見てアイコンタクトを取った。よし、作戦開始!
「まぁ、メッシーナ様。そうですわね、新入生同士交流を深めましょう。あちらのテーブルでゆっくりとお茶でもしましょうか。」
「えぇ、そうね。わたくしの友人も一緒にいいかしら?」
「えぇ、大歓迎ですわ。」
私たちは、テーブルに移動して紅茶とお菓子を食べながら雑談を始めた。
この紅茶は美味しいですねとメッシーナの友人のエルナ・ミラー伯爵令嬢が言ったのをきっかけに好きな紅茶の銘柄やそれに合うお菓子、など当たり障りのない話題をしているとメッシーナが婚約者の話を振ってきた。
「そういえば、サリアさんはマクシミリアン殿下の婚約者でしたよね。殿下は最近どんなご様子なのですか?」
「今日もお仕事に向かわれる様で忙しそうでしたわ。私はまだお勉強も始まっていませんので大変ではございませんけど、これからはしっかりと支えなければと思っています。」
「サリアさん1人で殿下をお支えするのは荷が重いのではないですか?」
今はまだちゃんと婚約者なのでちゃんと婚約者として返事をした。なんか棘がある様な感じがする。ちなみに、私たちは同級生ということで全員さん付けとなった。
「メッシーナさん、その言い方はサリアさんに失礼ではありませんか?」
棘のある言い方に反応したメルがメッシーナに問いかけた。
「メルティナさん、その様な誤解をされたのでしたらごめんなさい。わたくしはただ、サリアさんが殿下をお支えできるのか不安になってしまったんですの。」
「その様な意味だとしても、サリアさんに失礼ですわ。」
おぉ?ちょっと雲行きが怪しいな。メルが怒ってくれたのはとても嬉しいがこれで騒ぎになったら今後の計画がパーだな。ちょっとなんとかしよう。
「メッシーナさん、メルティナさん、私のことを心配してくださってありがとうございます。メッシーナさん、これから勉強していく身ですのでなんか困ったことがあったら助けていただいてもよろしいですか?」
「えぇ、もちろんですわ。わたくしにもできることがあったら言ってくださいね。サリアさんは同級生ですもの、お手伝いいたしますわ。」
「まぁ、心強いですわ。これからも仲良くしてくださいね。…あら、もうこんな時間。やっぱりお茶会はとても楽しいものね。今日はこれで失礼しますね、またお茶会しましょうね。今度は皆様の婚約者様のおはなしも聞かせてくださいね。」
「もちろん、近いうちにぜひ…」
そう言って、メルと一緒に立ち上がってその場を離れた。
「んもぅ、失礼しちゃうわね、サリアはこんなにいい子なのに嫌味を言うなんて。しかも身分は関係ないとはいえ、自分より爵位が高い人にあんなこと言うなんて…」
とちょっとキャラが崩壊している気もするが怒ってくれていることは素直に嬉しい。
そんなことを考えていると、いつの間にかこっちを見ていたメルが呆れた顔をしていた。
「自分が嫌なこと言われたのになんとも思わないの?」
「メルが怒ってくれたから、それでいい!」
「ほんと、この子はすぐに騙されそうなところが怖いわ。」
「えー!そんなことないよ。私ちゃんとしてるじゃん!騙されないよ!だって、居酒屋の前で話しかけられても途中で気づいて慌てて逃げたもん!」
「おぉ、それはアウトよサリア。ちょっとついて行った時点でアウトだわ、悪いやつに騙されそうでほんと心配ね。」
なんか、私が心配されている?別に騙されないし!ちゃんと逃げるよ!なんかダメな子認定された気分。………納得いかない。
ちょっとむくれていると、貴族令嬢に戻ったメルがほっぺたをツンツンしてきた。
「サリア、そんな顔してないで帰りましょうか?今日は疲れたわね。」
「そうね、今日はもう帰ろっか。明日も学園あるし、授業がつまんない…」
「それはしょうがないわよ、でもこれからちゃんと勉強しないと試験で赤点取ったら、大変よ。」
「はーい……、今日の夜ご飯は何かなー!」
またメルに呆れた目で見られた。気にしなーい。
行動開始できたのか?と思うかもしれませんが私も思ってます。
気長にお付き合いいただけると幸いです!
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