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勇気をもって、異世界へ  作者: レイン
51/170

51 新たな力の手掛かりを得て、異世界へ

 今までの戦いの中で蓮人の体が白く光り輝いたとき、蓮人の力は何倍にも膨れ上がり、どんな敵も全てを打ち倒してきた。


 しかし、ガンズローゼズのボスとの戦いでは白く光り輝いた蓮人が地面に伏せているのだった。

 蓮人に斬られた傷はないのだが、何度も受け損ねた大剣に吹き飛ばされ、何度も蹴り飛ばされたために打ち身の傷が多く、見た目以上にダメージを食らっていたのだった。

 そんな立ち上がれない蓮人にボスは大剣を引きずりながら近づいてくる。


「……お前は強い。その力をここで殺すのは実に惜しい。今俺に忠誠を誓い、部下になるというのならこれまでのことは全部忘れてやる。どうだ、悪い話じゃないだろう?」


 蓮人の目の前にしゃがみこみ、髪の毛を引っ張り顔を持ち上げさせながらそんな提案をしてくる。


「……そんなもんクソくらえだ」


 蓮人はそう言い放ち、ボスの顔に向けて唾を吐く。そんな行動は予想外だったのか唾が顔に直撃したボスはキレる。


「ちっ、クズが。お望み通り殺してやる」


 蓮人の腹に重い蹴りを食らわせ、そして大剣を振り上げる。


「じゃあな、死ね――――」


「させませんよ!ウインドアロー!」


 大剣が振り下ろされようとした瞬間、3本の矢がボス目掛けて飛んでくる。それをボスはバックステップで回避し、そして距離をとる。


「誰だ!」


 ウインドアローが飛んできた方向を見ると、そこにはリーとポチの姿が見えた。

2人は急いで蓮人の方への近づいてくる。


「大丈夫ですか、今治しますね。アクアヒール」


 神聖な光を放つ水が蓮人に吸収されていく。


「もう大丈夫だ。まだ痛むけど」


「無理はしないで、あとは私たちに任せてください」


 そう言ってリーは杖を構え、ポチはもう一度獣化を始める。


「アウォォォォォォォ」


 そして雄叫びを上げ、そしてボスに向かっていく。


「うっとうしいんだよ!」


 飛びかかってくるポチに合わせるように大剣を横薙ぎに振り回す。その攻撃をポチはまた魔力を使って鋭い爪を生み出し、それを使って受け止める。

 一瞬、力は均衡しているように見えたが、すぐに大剣が後ろへ引かれ、ポチは体勢を崩してしまう。そこへボスの蹴りが炸裂しポチは吹き飛ばされる。


 そしてボスはリーの方へと向かって駆け出す。

 それを防ごうと足元にバブルショットを、胴に向けてウインドアローを放つのだが、その全てを大剣を目の前に掲げ盾にされることで防がれてしまい、接近を許してしまった。

 接近戦では戦いになるわけもなく、リーは振り回される大剣をかわすのに精一杯だ。そして大剣ばかりに意識が集中してしまい、脇腹に強烈な蹴りを食らってしまった。

 リーは痛みで立ち上がることが出来ず、杖も落としてしまった。


「手間取らせやがって。お前から殺してやる!」


 ボスはいい加減イライラしているようだ。無造作に大剣を持ち上げ振り下ろす。

しかし、それを許すわけもなくポチがもう一度飛びかかり押し倒す。そしてその勢いでボスは大剣を落とした。

 ポチは馬乗りになりそのまま押し潰そうとするのだが、その前に避けられてしまった。


「もういい、お前はこのまま殴り殺してやる」


 いい加減イライラしているようだ。落とした剣を拾わず、ひたすらポチをひたすら拳で殴り続ける。

 大剣を離して身軽になったボスは素早く、ポチの速さを持ってしても避けることが難しい。

 リーも脇腹に食らった強烈な蹴りのせいでまだ立ち上がることが出来ず、魔法を唱えることが出来ていない。


 (このままじゃ皆やられちまう。ダメだ、そんなのダメだ……。

 どうしたら勝てるんだ、考えろ……)


 そのとき、蓮人はこの前、ガサラで装備を整えたときのことを思い出した。


 (俺はまだこの刀の本当の力を引き出せていない、そんなことを言われた。そんなの何かは分からないが、やるしかない!)


 そして歯を食いしばって立ち上がり、ポチを殴り続けているボスに向かって歩き出す。

それに気づいたボスは殴る手を止めて大剣を拾い上げ、蓮人と向かい合う。


「まだ来るか、面白い。本当にこちらに来る気はないんだな?」


 蓮人はそれに闘気を高め刀を構えることで答える。


「じゃあ死ね」


 そして大剣を構えたボスは蓮人へと斬り掛かる。蓮人はそれに真っ向から刀を合わせ、力比べとなる。

 蓮人はギリギリと歯を食いしばりなんとか耐えるが、少しずつ押され始める。


(くっ、一旦距離を取らないと押し切られちまう……)


 そう考えた蓮人は火を生み出しそれで出来た好きに距離を取ろうと考え、魔力を体内で集めていたのだが、その際に変な違和感を感じたのである。


(魔力が抜けていく……? いや、刀に集まっているのか……?)


 そのとき、蓮人はこの状況を打開する起死回生の一手を閃いたのである。

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