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勇気をもって、異世界へ  作者: レイン
41/170

41 嘆きの森に出発しに、異世界へ

 翌日、3人は昨日購入した新たな防具を身にまとい、準備もやる気も万端な状態でガサラの門の前にいた。

 レノとギルドマスターは見送りに来てくれているようだ。


「3人ともどうかご無事で! ポチちゃん、早くお母さん達に会えるといいですね」


「あんたら、あたいのおかげでBランクに上がれたってことを忘れんなよ? 分かったら絶対死ぬんじゃないよ。いいね?」


 2人は嘆きの森に出発する3人を激励する。


「任せろ! おいらがいるから大丈夫! お母さんに会えるの楽しみだなぁ」


 ポチからはワクワクして楽しみなのが伝わってくる。


「行ってくるよ。遅くなるかもしれないが必ず帰ってくるから大丈夫だ」


 蓮人はそう宣言して、嘆きの森へ歩き出す。








「ウインドアロー!」


 3本の風の矢がそれぞれ1本ずつ、3体のオークの心臓に向かって放たれる。全部見事に命中し、3体のオークは一瞬で絶命している。


「このローブを着てから、魔法の調子がすこぶるいいです。このローブ本当に凄いですね」


 リーは感心している。


「リーの魔法すごかった! いつもよりわーって感じだったぞ!」


 ポチもそれを感じとったようだ。


 そしてまたしばらく歩くとまたオークに遭遇した。今度は1体で気づかれていなかったので、ポチの喉元へのナイフの先制攻撃が入った。その一撃で終わりである。


「おいらも強くなった気がするぞ!」


 褒めてくれとキラキラした目で蓮人とリーを見るポチ。


「ええ、強くなりましたよ!」


 リーはポチの頭を撫でてやっている。

 その間、蓮人はある気になっていることについて考えていた。


 (なぜか今日はオークばかりだがモンスターの遭遇率が高い。まだ嘆きの森に着いてもないってのに。何も無いといいんだがな)



 結局、嘆きの森に着くまでに合計10体のオークと20体のゴブリンに襲われたことによってかなりの時間がかかってしまった。


「今日はここで野営して、明日嘆きの森を探索することにしようか」


「ご飯ご飯!」


 やっぱりポチはそればっかりだ。


「今日はオークの肉もあることだし、豪華なステーキでも作るか!」


「やったー!」


 ポチは飛び跳ねている。

 結局その日の夜ご飯はかなりでかいオークのブロック肉と、近くに生えていた野菜とオーク肉の入ったスープに黒パンだ。リーが近くに生えている野菜を見つけてくれたおかげで肉だけのスープにならずに済んだ。

 その野菜は蓮人がみたことのないものだったのだが、味はとてもよく玉ねぎのような食感だった。


 野営にしてはかなり豪華な食事を終えた3人は雑談に花を咲かす。


「おいらのお母さんとお父さんってどんな人なのかなぁ」


「さっきからポチはそればっかりだな。明日にも会えるかもしれないんだから、楽しみに待ってなよ」


「うん!」


 (遠足の前日の小学生みたいだな)


 蓮人は自分にもあんな頃があったと思うとどこか照れくさいような微笑ましいようなそんな風に思われるのだった。


 夜も更けてきたがポチはワクワクしていてまだまだ眠れなさそうなので見張りを頼んで蓮人とリーはテントに入って休むことにした。ポチの次は蓮人、最後がリーの順番である。


 おやすみとポチに声をかけて蓮人とリーはテントに入って眠りにつく。


「ポチちゃん、嬉しそうですね」


「そうだな。もうすぐ親に会えるんだ、そりゃそうなるさ」


「ポチちゃんが両親の元に帰れるのはいいことなんですが、そうなると寂しくなりますね」


 リーは少し寂しそうな顔をしてそんなことを言う。


「ポチがいたら場が和むもんな。確かに寂しくなるよ。でもきちんと親のとこに返してやらないとな!」


「そうですね、明日も頑張りましょう!」


 2人は気持ちを切り替え、時間まで眠ることにするのだった。






 蓮人が見張りを交代する時間になり、起きてテントを出ると、そこにはポチと1体のオークの亡骸があった。


「あ、蓮人! おいらお腹空いた! またオークのステーキが食べたい!」


「わ、分かった。それよりそのオークはどうしたんだ?」


「蓮人とリーが寝たあとちょっとしたら森から出てきたんだ。だからやっつけたよ!」


 よく見るとオークのお腹の部分のお肉は綺麗に剥ぎ取られていた。そんなにお腹がすいていたらしい。小さな体なのに本当によく食べるやつだ。

 仕方がないのでご褒美としてお肉を焼いてやろう。



 夜食にがっつりとオーク肉のステーキを食べたポチは目をこすりながらテントに入っていった。

 そのまま蓮人の番にはモンスターが襲って来ることもなく、リーと交代する。

 そして朝を迎えたのだった。

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