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勇気をもって、異世界へ  作者: レイン
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36 Bランク昇格依頼に、異世界へ

 「分かった。じゃあどうしたらいいんだ?」


「あの森に入るにはBランク以上であることが必須条件なのはレノに聞いているな?」


 その問いに蓮人達3人は頷く。


「じゃあBランクに昇格するための条件は知っているか?」


 その問いには蓮人達は首を振る。


「それは、あたい達ギルドの人間が冒険者の功績や実力を見て、適すると思った人物にある依頼を個人依頼として受けさせる。その依頼を達成した報酬がBランクへの昇格となる。

あんたらはまだ冒険者登録して2週間も経ってねえヒヨっ子だ。功績も実力もねえ」


 そこでギルドマスターは不敵な笑みを浮かべ、「だが」と強調して話を1度止める。

ギルドマスターが再び話し出すのを待つ。


「あんたらには運のいいことに、ゴブリンキングの件の功績がある。まあ一応道案内の個人依頼だったんだが、そこはオマケしといてやる。倒したのは蓮人だしな。

 よって、ギルドマスター権限の推薦でBランクへの昇格依頼の受注を許可する」


 蓮人達の顔がぱっと明るくなり、それぞれ礼を言う。ポチに至ってはワーイワーイと飛び跳ねている。


「喜ぶのは早い! 実際には昇格依頼を達成しなければ許可はやれない、まだ気を抜くな」


 ギルドマスターが鋭い眼光でそう言い放つ。

 それにはっと我に帰った蓮人達はその依頼について詳しく尋ねる。


「その依頼とは、ワーウルフの討伐だ」


 ワーウルフと言われてもピンとこないのでどんなモンスターなのか話を聞く。


「オオカミに似たモンスターだな。基本群れることはなく単体で過ごしている。んで、やたらとすばしっこく、前足の一撃がかなり重たく、そこについているの鋭い爪も要注意ってとこかな。

 気抜いたら一撃も食らわせられずに殺されちまうこともあるから、絶対気抜くなよ?」


 3人はうんうんと頷いている。


「それと話は変わって、さっきはBランク昇格条件に戻る。

 さっきはサラッと流して説明したんだが、正確には担当係をその依頼に連れて行ってキチンと守って無事に連れ帰ってくることで依頼達成だ。

 勿論連れている間の戦闘は全て見られることになるから、道中で無様な戦いをしているとワーウルフと戦う前に強制終了ってことも有り得る。

 まあうちの大事な職員だ。ちゃんと連れ帰ってきてくれよ?」


「そうですよ! お願いしますね!」


 そう言ってレノは頭を下げた。


「ああ、任せてくれ。皆は俺が守る」


「いえ、私もしっかり守りますよ!」


「おいらも守ってやるぞ!」


 3人のやる気をギルドマスターとレノは微笑ましく見ている。

 そして、ギルドマスターがパンッと手を叩いた。


「さ、話は終わりだ。幸い今日はまだ早い。ワーウルフの所までは歩いて半日程かかる。今から準備して昼過ぎに出発。今日はその近くまで行って野営して、明日倒しておいで」


 その提案を4人は受け入れて、そうすることになった。

3人とレノは分かれて各自で用意をして、12時の鐘が鳴る頃に街の門に集合することに決める。










 ゴーンゴーンと12時の鐘が鳴った。しかし、門の前には蓮人とリー、ポチしかおらずレノの姿が見えない。

 そのまま少し待っていると大きなリュックを背負ったレノが汗をかきながら走って来た。


「ハアハア、遅れて、すいません、ハアハア」


 急いで来たことがよく分かる。

それは置いといて、さっそく出発することになる。

門兵の応援を受けて蓮人達はワーウルフの討伐に出発した。


 道中は特に困ったことはなく、何度かゴブリンが現れたくらいだ。それもリーのウインドアローか、ポチが素早くナイフで喉を掻っ切ることで倒されていた。ちなみに蓮人の出番は無かった。

 そのままレノ達と話をしながら歩いて行くと、すぐに半日が経ち今日の目的地に着いた。


「じゃあ、今日は私が皆さんに明日頑張ってもらうために、美味しいご飯を作ってあげたいと思います!」


 野営する時のご飯といえば、だいたいは保存の聞く黒パンや干し肉と、キャンプなどで作る具のないスープが普通であるのだが、レノはそんなことはお構い無しに大きなカバンから様々な食品や調味料を取り出してくる。

 そんなレノに蓮人とリーは苦笑いを浮かべているが、ポチはわーいわーいと飛び跳ねて喜んでいる。

 そして1時間が経った頃、皆の前にはご飯が並んでいた。

 今日のメニューは野菜がゴロゴロ入ったスープに、拳程度の大きさの大きな肉、そして白パンだった。

 どれも食欲をそそるいい匂いがしている。


「「「「いただきます!」」」」


 それを合図に皆食事を始める。


「うまい!」


「おいしいです!」


「おいしー!」


 蓮人達は声を揃えてレノの料理を褒めまくる。レノはそれに照れながら、スープはまだまだ残ってるので沢山食べてくださいと言ってまた食事に戻っていた。

 今日は食事を楽しみながら夜が深まっていくのだった。

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