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勇気をもって、異世界へ  作者: レイン
35/170

35 頼み込むために、異世界へ

そのまま2人は眠ることなく喋り続けていた。

そして日が昇り始めたので、リーが水魔法で生み出した水で蓮人とリーは簡単なスープを作る。


「いい匂いだ!」


「スープのいい匂いです」


スープの匂いにつられてポチとシルフィーが起き出して来た。

スープと黒パンと、前日シルフィーが取ってくれた果物で朝ご飯を済ませてさっさとガサラに向けて出発する。


「助けて頂いてありがとうございました!またこの森に来た時は声を掛けてくださいね!

ポチさんの親探し頑張ってくださいね!」


そう言ってシルフィーは森の奥へと飛び立って行った。


「よし、じゃあ俺達も一旦ガサラに戻ろう。ギルドマスターの許可とか貰いに行かないとな。

ポチ、もう少しで親に会えるぞ!」


「おう! 楽しみだ!」


やっと親に会えるのだ。それは勿論テンションも上がるだろう。今にもスキップを始めそうだ。

そんなこんなでガサラに向かって歩き出す。






ガサラに無事に到着した3人の姿はギルドの前にあった。


「レノにまた注意されそうだな……」


「ええ……」


1日で行って帰って来られるはずのオーガ討伐依頼を受けていたはずなのだが、その日中に帰ってくることが出来なかったので、レノは心配しているだろう。

そのことを蓮人とリーは申し訳なく思いながら、入ったら開口一番謝ろうと決めてギルドの中に入る。

ドアを開けて入った瞬間、レノと目が合った。そしてまたレノは急いでこちらに寄ってくる。


「遅いですよ! 心配しました!」


心なしか目の下に隈が出来ているような気がする。


「悪かったな、色々あったんだよ。でも怪我は無いし、ちゃんとオーガも討伐して来たから安心してくれ」


その返答にレノは胸を撫で下ろしていた。

レノはポチの頭を撫でながら


「本当に心配しましたよ! 無理しないでくださいね!」


そういったような小言を言ってくる。

それらをスルーしながら、本題を切り出す。


「ところで話は変わるんだが、嘆きの森に行きたい。なんでその許可が欲しいんだが、ギルドマスターに話を通してもらえないか?」


「はい?」


言っている意味がきちんと伝わらなかったようだ。


「だから、嘆きの森に行く許可が欲しい」


そしてもう一度頼んだ。ポチとリーもお願いしますと頭を下げている。


「でも、ギルドマスターの許可以外に、Bランク以上という決まりがあるのです……」


何か事情があると察したレノだが、申し訳なさそうにそう言う。


「そこをなんとか頼む、ギルドマスターの所に連れてってくれ。俺が直接頼み込むよ」


しかし決まりが……と渋っているレノに、何とかしてくれを説得して頼み込む蓮人達。


「あんたらどうしたんだい?」


そんな声が蓮人達にかけられた。後ろを振り向くとそこにはギルドマスターがいた。


「嘆きの森に行く許可をください!」


蓮人達3人は揃ってギルドマスターに駆け寄って90度頭を下げる。


「なんだってなんだい? とりあえず頭を上げな」


そんな声がかけられるが蓮人は頭を上げず、お願いしますと頼み込み続ける。

するとギルドマスターのため息をつく音が聞こえた後


「訳ありなんだね? とりあえずついておいで。話だけは聞いてやるよ、レノもついておいで」


歩き出したギルドマスターに4人は着いて行く。







「で、どうしてか理由を聞かせてもらおうか」


ギルドマスター室に通された蓮人達はギルドマスターの対面に座らされ、事情の説明を促される。それに頷いて


「ポチ、ギルドマスター達は信頼出来る。いいか?」


ポチの話をしていいのか確認をとる。

ポチは少し悩んでいるが1度頷いて


「蓮人が信頼出来るって言うならいいよ」


と笑って言ってくれた。


「分かった。ギルドマスターもレノもこれは絶対秘密にしてくれ」


その前置きをしてから、2人が頷いたのを確認してから、蓮人は隣に座るポチのフードを脱がせる。可愛いケモノミミがピョコピョコ動いていた。

ギルドマスターとレノは驚いて声も出ないようだ。


「見て分かる通り、ポチは獣人族なんだ。俺たちはポチを親の元へ返してやるために、嘆きの森に行く許可が欲しいんだ」


「ちょ、ちょっと待て。話が見えてこないぞ」


そう言って説明を求められたので、ポチとの出会いから話をする。ガンズローゼズについては上手く隠したが。


「な、なるほど。妖精族から嘆きの森に獣人族がいると話を聞いたのか。確かにそれは行ってみる価値がある。

しかし、獣人族が実際に存在していたとは……」


ギルドマスターは考え込む。蓮人達が嘆きの森に踏み込んで無事に帰ってこられるのか。あの森のモンスターはかなり強い。不安が残ってしまう。


「あの森のモンスターは強い。そいつらにも負けないって所を見せてくれ。それが条件だ」


ギルドマスターはそう話をを持ちかける。

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