表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇気をもって、異世界へ  作者: レイン
169/170

169 予想外で、異世界へ

「あー、気持ちよかったー」


「体の疲れがキレイさっぱり無くなりましたよ。今度はリーさんも一緒に行きましょうね」


 そのまま蓮人が1人で夜空を見上げていると、ジリーとジュシュの声が部屋の中から聞こえてきた。

 蓮人が部屋の中に戻るとジリーが蓮人にしか見えないようにウインクをしてくる。

 それには顔を少し赤らめつつも笑みを返すのだが、ジリーはその返答で結果を察したらしく親指を立ててグッドマークをしてきていた。

 リーはそのやり取りに気づいたらしく、顔を赤らめながら


「私もお風呂に行ってきますね!!!」


 そう言ってこの宿についている大浴場へと出ていったのだった。


「やっぱりリーさんも誘うべきだったじゃない!」


「はいはい、分かったから次誘えばいいでしょ」


「……まあいいです。ところで蓮人さん明日ってどうするかもう決めてますか……? よかったら、収穫祭一緒に回ってくれないかなと……あ、もちろんもう予定が入っているならいいんですけどね!」


 ジュシュが少しだけ顔を赤らめて上目遣いで尋ねてくる。

 蓮人は思わず横目でだがジリーの方を向いたのだが、その先では驚きを顔に貼り付けたまま固まっているジリーがいた。


(お、おい! なんだこのハーレム展開は! どうすりゃいいんだ!)


 人生で1度も恋愛経験のない蓮人にとってこれは非常に難しい問題だ。


「え、えーっと、ちょっと明日は先約があって……申し訳ない、また今度な……」


「い、いきなり変なこと言ってすみませんね!

 また今度楽しみにしてますから大丈夫です、気にしないでください!」


 とんでもない落差でガッカリしているジュシュだがまた今度と言った時点では既に元気を取り戻していた。


「お姉ちゃん! 蓮人さんは予定が入っちゃってるみたいだし、ポチちゃんとリーさんも誘ってまた討伐依頼でも受けに行こうよ……って聞いてるの?」


 固まっているジリーをジュシュは揺らして起こす。

 それで我に帰ってきたジリーは


「んーっとね、リーも用事入ってそうだし、お姉ちゃんとポチちゃんの3人で行くのはどうかな……?」


「そ、そうなんだ……じゃあ3人で行こっか……」


 それだけ答えてジュシュは肩を落としつつベッドへと潜り込む。


「まさか……い、いえ、それでも負けませんもん……」


 ベッドの中からぼそっと小さな声でそう呟く声が聞こえてきてしまった。

 蓮人とジリーは顔を見合わせて驚きで固まるのだった。


 このあと蓮人も1人で大浴場にて入浴を済ませて部屋へ戻るとすぐにベッドへ潜り込んだ。


 (まさか、ジュシュが……お祭りに誘うってことはやっぱそう言うことだよな……)


 今まで経験がないとはいえ本やドラマなどでそういうシーンは何度も見てきたのだ。そこまで鈍感になることは出来ない。


 (とは言ってもなあ……)


 こうして考え込んでいる間にいつの間にか眠りに落ちるのであった。




「蓮人さん! そろそろ起きてくださいよ……一緒にお祭り回るんじゃないんですか?」


「うーん……おはよう……」


 蓮人は目を擦りながら体を起こす。窓から見える空は雲ひとつなく太陽が既に高く昇っていた。

 もうジリー達は出かけているようで部屋には蓮人とリーだけだ。


「すぐに支度するから待っててくれ」


「はい!」


 こうして蓮人は顔を洗って寝癖を整え、2人で収穫祭へと繰り出すのだった。

読んで頂きありがとうございます!

よろしければブックマーク、評価、感想お願いします!

「カンスト勇者の無双劇」の方もよろしくお願いします。

https://ncode.syosetu.com/n5372ft/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ