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勇気をもって、異世界へ  作者: レイン
166/170

166 収穫祭に、異世界へ

「それでは、これからどうしましょうか?」


 マニの協力を得られるようになった蓮人達は早速これからどうするのか相談しようとするのだが、


「何を言っているんだ。これからの君たちの役目は自分達を鍛え上げ、私達が見つけ出したナイトメアを確実に倒せるようになることだ」


 そう言われてしまったのだが、心配を隠せない蓮人達にマニは笑いかけ、言葉を続ける。


「なに、心配はいらないさ。ギルドから情報を漏らさないと確信でき、実力もある冒険者に私からの個人依頼としてナイトメアと邪気を持つモンスターの捜索を頼むつもりだからね」


「それなら俺達も一緒に探しますよ! その方が効率もいいはずですし」


 マニはその蓮人の話に首を振る。


「では正直に言おう。このギルドには、君達以外にそのナイトメアに勝てるかもしれないという実力者が居ないんだ。この皇都の命運は君達にかかっていると言っても過言ではない。だから、君達には私達が捜索している間に更に鍛え上げ、ナイトメアに必ず勝って欲しいんだ」


「そういうことなら、分かりました。俺たちホワイトストライプスが必ず倒してみせます」


 そして健吾を必ず取り返してみせる、という言葉まで出そうになるのをぐっと堪えてそう宣言した。

 それにマニも満足そうに頷いていた。


「うむ、よろしく頼むよ」


 この後は見つけた場合どこに知らせるかなどの緊急連絡先などを決めてこの話し合いは終わることになる。


「長々とすまなかったね、もう日が暮れかけてしまっている」


「いえ、俺達も来るのが遅かったですから申し訳ないです」


「じゃあお互い様ということで。先程は頑張って鍛えてくれと言ったが、しっかりと休むようにもしておくれよ。いつ襲って来るかも分からないしね」


「はい、ありがとうございます。それでは」


 マニの心遣いに感謝しながら礼を述べ、そして部屋を出ていく。

 外に出るともう日は沈んでいたのだが、どこか騒がしい。騒がしいといっても街の住人たちが浮かれているという意味なのだが。


「これなんなんだろうな?」


 蓮人はリー達の方に顔を向けて尋ねるのだが首を振っていたのだが、そのとき、ジュシュが「あっ!」っと声を上げた。


「これは確か皇都で年に1度開かれる収穫祭ですよ!」


「そういえばそうだったわね!」


「「収穫祭?」」


 ジュシュの言葉に思い出した!という風に声を上げるジリーと、聞いた事のない蓮人とリーである。ちなみにポチは周囲に漂ういい匂いをかいでいた。


「そうです! リーン皇国の特産品のトミートが取れるのがこの時期なんですよ。それで無事に収穫出来たことと来年もまた豊作になりますように、という願いを込めて収穫祭が行われているわけです!」


「なるほどなぁ、お祭りか……」


 そのとき蓮人の頭にあることが浮かんだ。


 (そういや、リーと約束してた一緒にお祭りでも行こうって話、まだ出来てなかったんだよな……よし!)


 こうして蓮人はリーをお祭りに誘うことを心に決めるのだった。


「ねえねえ、おいらお腹空いた!」


「私もお腹空きました!折角なので宿へ戻る前に食べていきましょうよ!」


 そんな中でポチはもう食欲に負けた腹の虫をグルグル鳴らして主張しており、それにジュシュも乗り気だ。


「そうだな、俺もそのトミートってのを使った料理も食べてみたいし行ってみようか」


「わーい! こっちからいい匂いするよ!」


 蓮人がそう言った瞬間ポチはジュシュの手を取っていい匂いのする方へ走っていく。


「あ! 待てよ、走ると危ないぞ!」


「私も行くよ!」


 その後を蓮人とジュシュも追いかけていくのだが、リーだけは少し頬を赤らめて俯いていた。


「ほらー、リーも行くぞ!」


 それに気づいた蓮人はリーにそう声をかける。


「は、はい!」


 慌てて返事をしたリーは赤くなった顔を蓮人に見られないように髪の毛で隠しながら後について行くのだった。

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