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勇気をもって、異世界へ  作者: レイン
127/170

127 手紙を出して、異世界へ

 無事に合流出来た蓮人達は王都への帰り道を歩いていた。


「ところで、ムーラにはどうやって話をしようか。正直に話をするべきだと思うか?」


「うーん、どうしたらいいんでしょう……邪神の話をしたとしても信じてもらえるかは分からないですし……」


「ちゃんと話をして皆できちんと対策を練るべきだとも思うんだけどな……」


 蓮人とリーは話し合いながら歩いているのだが、一向に話はまとまらない。


「とりあえず、石像が壊れた理由は頂上にいたドラゴンが倒したっていうことでいいんじゃない?」


「でもそれだと依頼の虚偽報告になるし、バレたら冒険者の資格剥奪されちゃうよ?」


「確かに……」


 このジリーとジュシュのやり取りから分かるように、ギルドへと虚偽報告をした場合かなり重いペナルティを負わされるのだ。

 ポチ以外の4人はどうするべきなのか必死に頭をフル回転させるのだが何もいい案は浮かばず、ただ王都が近づいてくるだけだった。


「分からないなら、とりあえずギルドに報告する前にオリビアに聞いてみたらどう?」


 ポチからふとそんな一言が放たれた。


「なるほど!」


「確かに!」


「ポチちゃんえらい!」


 こうして王都へ戻ってからどうするのかが決まるのだった。


「よし、そうと決まれば早く戻ろう!」


 まだモンスターのでない道を急いで戻るのだった。




 そして一日また野営をして無事に王都へと到着した蓮人達である。

 そのままの足で王城へと足を運び、顔なじみになっているイケメン衛兵とガチムチ衛兵にオリビアへの手紙を託し、王都で定住にしている宿へと戻った。


「とりあえず、オリビアへの手紙には返事はこの宿へ届けてもらうように書いておいたし、それまでは休もうか」


「おいらお腹空いた」


「そういえばもうそんな時間なのか。じゃあ皆でご飯食べに行こうか」


 こうして蓮人達は暗くなりかけている王都の街へと繰り出し、何を食べるのか相談しながら歩いていくのだった。


 温かいご馳走に満足した蓮人達はそのまま宿へ戻り休むことにした。ちなみに部屋割りは男女別の2部屋だ。

 そして翌日の朝早くである。ドンドンドンドンと力強く扉を叩く音と名前を呼ぶ声に叩き起こされた。


「うーん、こんな朝早くになんだよ……」


 蓮人は目を擦りながら扉を開ける。


「何の用で……」


「たった今王城から遣いの人が来られて、この手紙を至急蓮人様御一行に渡せと」


 扉を開けた先にいたのは慌てている宿屋の女将さんだった。


「昨日渡したはずの手紙の返事がもう来たのか……こんな朝早くなのにありがとうございます」


 手紙を受け取りお礼を言って扉を閉めた。

 そして内容を確認してみると、


「今日の正午に王城に来いだって!? とりあえず早く皆起こして伝えないと!」


 早くても2日後だろうと思っていた蓮人はまだ眠っているポチは置いておいて隣の女子部屋にリー達を起こしに向かうのだった。


 そして30分後。女子部屋の中からはジリーの叫びが響いていた。


「そ、そんないきなり国王様に会うなんて無理無理無理無理、3人で行ってきて! 私とジュシュはお留守番してるから!」


 ジリーの言葉にジュシュも全力で首を縦に振る。

 2人は同じベッドに潜り込んで必死に抵抗していた。


「いや、でも皆で行って説明しないといけないし」


「無理です無理です! 緊張してそれどころじゃないです!」


「そんなに緊張しなくてもオリビアさんは優しい方ですから絶対大丈夫ですよ! 蓮人さんなんて敬語すら使っていないんですからね」


「それはオリビアにいいって言われたろ!」


「とにかくそんなに緊張しなくても大丈夫な人ですから、早く支度をしましょう! 蓮人さんは出て行ってください!」


 こうして蓮人はリーに女子部屋から追い出された。

 そして中からは駄々をこねるジリーとジュシュの声とそれを宥めるリーの声が聞こえてくるのだった。


「ここは任せて、俺はポチを起こすとするか」


 蓮人もポチを起こすために部屋へと戻るのだった。

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