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勇気をもって、異世界へ  作者: レイン
104/170

104 パワーアップして異世界へ

 蓮人に続いてキングスケルトンのより大きくなった力を感じられたリー達も驚きを隠せていない。


「な、なんですかあれは……」


 リーがぼそっと呟いた。

 ジリーとポチは声を出すことも出来ず、ジュシュに至っては数歩後ずさっていた。

 そして全員体を恐怖で震わせている。


 今まででも誰一人としてダメージを与えられた攻撃がなく、相手の魔法は対処できるギリギリでなところで正直勝ち目が薄かった。

 今まででそれだったのだ。そんな相手の力がより一層強まったのだ。そうなっても仕方ないだろう。

 かくいう蓮人も大して変わらない。かろうじてではあるが体の震えを押さえつけられているのが救いだ。


「ドウシタ? マタ体ガ震エ始メテイルゾ? 早クカカッテコイ」


 キングスケルトンからは明らかな挑発をしてくるが蓮人以外は震えて動けない。


「ツマラン。サッサト死ヌガイイ」


 リー達の震えを見て面白くなさそうな態度をしているキングスケルトンは、無造作に杖を上へ掲げる。

 その瞬間、直径3メートルを超えるような闇の球体が生み出された。ジワジワと大きくなったのではなくまばたきを1回している間だけで、それも魔力を練ることもせずに生み出されたのだ。

 これだけで大きくなったキングスケルトンの力量がとんでもないことが分かる。


 全員が危険なのは理解しているのだが、恐怖でその場を動くことが出来ない。

 そして無慈悲にも上に上げている杖が振り下ろされた。


「行ケ」


 闇の球体が蓮人達の頭上へと落ちてくる。重力の影響を受けて加速度的に速くなりながら接近してきている。


 そんな中、蓮人は闇の球体から目を逸らし、後ろを振り向く。

 そこには体の震えが止まらず、動くことの出来ないリーやポチの姿がある。


 (俺だけならこの攻撃を避けられるかもしれない。でも、そんなことをすればこいつらは……)



――――恐らく死んでしまうだろう



 思いに起こしそうになるそんな言葉を必死に心奥深くへ閉じ込める。

 そして決意する。


 (俺が、皆を守ってやる!)


「うおおおおおおお!!!!」


 蓮人は吠える。

 その瞬間、そのドス黒いオーラを消し去るような眩い光が蓮人の体から放たれ、その場にいた者たちの視界をホワイトアウトさせる。


「グウウウ、ナンダコレハ」


 キングスケルトンはローブで光を遮りながらも辛そうに呟いていた。

 そして光が収まると、そこには聖なる力が感じられる白く輝くオーラを身にまとった蓮人の姿があった。


 目の前にまで迫っている闇の球体を1度睨みつけると、そのまま飛びかかり、刀を抜きながら横に一閃する。

 眩い光の剣筋が残像のように残っていた。

 そのまま蓮人は後ろへと下がり、刀を鞘へと直す。

 その瞬間闇の球体は真っ二つに別れ爆発して消え去った。


「リー達は下がってくれ、ここからは俺がやる」


 リー達は黙って頷く。

 もちろん、内心でいえば皆、蓮人が心配で連携して戦いたいと思っている。

 しかし、理解しているのだ。今のままでは足でまといになり蓮人の邪魔になることを。だからその気持ちを押し殺す。


「「「「頑張れ!」」」」


 そして一言その言葉をかけて騎士団達の加勢に向かった。

 蓮人は皆からその気持ちを受け取りながら、キングスケルトンと向かい合う。


 (皆、任せろ。俺がさっさとカタをつけてやる)


 そして蓮人は刀を居合の型で構える。

 キングスケルトンからも既に余裕は消えており、全力で殺しにかかってくるようだ。

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