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第0話
突然だが、私には本来見えてはいけないモノが見えてしまうという、よく言えば他人とは違う、悪く言えば厄介な病気を持っている。
名前は隠岐乃御伽。まぁそんなことはどうでもいい。とりあえずこれを見ている人には、見えてはいけないモノが見える辛さを、わかって欲しいのだ。
例えば、入院した時にはその辺一帯に、登下校中にはいつも道路の片隅に、公園では必死に母親か何かを探しているか泣きながら歩いていたり、そろそろ寝ようとした時に耳元でうなってきたりと、ソレはあまりにも煩すぎるのだ。
そんな私、隠岐乃御伽だが、今日もいつも通り高校に通う。
通っている高校は歩いて10分もかからない“北雨地高校”に通っている。
北雨地と書いて《きたうち》と読む。北雨地の由来だが、街の北のほうにあり、よく雨が降って洪水などが頻繁に起こったらしたらしい。だから単純に北雨地なのだ。
洪水など土砂崩れなどが多く起きたせいか、他の街よりも心なしかソレが多い気がする。
話を戻して、登校中は私は、出会ってしまった、あまりにも美しすぎるソレと・・・・