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魔法戦記  作者: yoshi
第1章 最強魔法師の 学園生活
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第二話

 4月1日ヤマトの魔法学院において入学式が行われる日だ。ヤマトの魔法学院は、ヤマト最大の都市である朱雀において総面積の5割を占める。魔法学院の施設としては、研究施設や図書館・訓練場・グランドなどがあり四年間魔法師としての訓練を受ける事になっている。

 学校の仕組みとしては大学と似ており必修とされるものと自分で選ぶ任意の科目が存在する。と言っても全て大学と同じというわけでもなく、クラスや担任もおり四年間変わることはない。行事として文化祭や体育祭他校との交流もある。

 一つの学年で5クラスあり、一つのクラス30人ほどの生徒が在籍している。学院全体では、生徒の総数は約600人で毎年優秀な魔法師を輩出していることで有名だ。 魔法学院に通う生徒たちというのはほぼ全てが魔法師となり将来魔物と戦うことを決めている生徒たちだ。例外として、研究者や技術者としての道を行こうとする者もいる。

入学するためには、難関な筆記試験を突破し実技試験として実際に魔法を撃ち魔力量を測り試験管である教員と戦わなければならない。そして、最後に面接を行い全ての試験を突破したものの中で優秀なものが生徒として選ばれる。 つまり、生徒たちは全員自分たちが将来国家の守り手であることを自覚し優秀だと考えているので誇り高く勤勉な生徒が多い。

 また基本的に全寮制となっており、平民も貴族も身分に関わりなく同じ寮に住むことになっている。 ちなみに、一つの部屋で 二人住むことになっている。


「というわけで、今日からよろしく竹島圭吾くん。教室で自己紹介した時に言ったと思うけど俺の名前はネイト・ルクスだ。」

[何がというわけなのかよくわからないけど、ルームメイトとして これから四年間よろしく頼むよ。]

 ネイトの目の前にいる少年は、同じクラスの生徒で隣同士そしてルームメイトとしてこれから一緒に学園生活を送ることになる同居人だ。


[竹島はさ、どうして魔法師になろうと考えたんだ。]


 現役最強の魔法使してネイトは、自分と同じ年代の子供がわざわざ自分の命をかけてまで戦わなければならない魔法師に志願したのか興味があった。元日本人として、前世は平穏な生活を送っていたみとしては10代で命をかける職業に着くための訓練をするというのはあまり理解できないことだからだ。ネイトみたいに、幼少期から自分の意思とは別に強制的に魔法師として生きていかざる境遇でもないのに。


[僕の場合は、単純に近所に尊敬していた女性が魔法師を志していたから僕もやってみようって思ったからだよ 。特に深い理由はないよ]


 竹島は軽い言葉で自分自身が魔法師を志した理由を言うが、並大抵の覚悟ではないのか言葉の端々に暑い口調がこもっていた。


[そうゆう、ネイトの方こそどんなわけで魔法師を志したの?]

[俺か俺は、親が魔法師だったから自分も魔法師になりたいと思ったんだ]


 これは本当の話だ。ネイトがこの世界で生まれた時の両親は二人とも魔法師として魔物たちと戦っていた。しかしながら、魔物との戦いで二人共命を落としている。だが、魔法師になりたいと考えたて魔法師になったわけではない。ネイトの場合は強制で魔法師になっている。


[ちなみに その尊敬している女性ってどんな人?]

[すごい人なんだよ!4年生で8ヵ国のランキングで第323位なんだ。]


 ランキングというのは、主に魔法師に対する評価の順位付けの事で評価の内容としては魔力の保有量・使用できる魔法の数・どれだけ高位の魔法を扱えるか・どれだけの魔物を倒してきたかによって決まる。他にも、自分より上の順位の人と戦い実力を示すことで順位が上がることもある。魔法師の順位づけというのは魔法学院の生徒に対しても行われる。ちなみに、ネイトは6位だ。


[10代で、300代っていうのはすごいね。]

[でしょ!でしょ!]


 それから竹島は、いかにその女性がすごいのかを語っておりネイトは半場その話を聞き流しながら就寝していった。




[ようやく寝たか。]


 しばらく経ち、竹島が寝入ってからネイトは部屋から外出し学園長の部屋へと向かって行った。元々、顔合わせをする予定だったが互いに入学式やホームルームをすっぽかすわけにはいかず夜 落ち合う予定だったが、竹島がなかなか寝ないのでネイトは喋りながら魔法を発動させていき竹島を強制的に眠らせていたのであった。


[失礼します]


 扉を叩き許可を得てから、学園長の部屋にネイトは入った。 学園長室の中では一人の老人と女性がいた。


[初めましてネイト・ルクスです。]

[こちらこそ、初めまして。魔法学院の校長をやっている藤田剛と理事長の九条天だ。 父からはよく話を聞いているよ。]


 目の前にいる女性、九条天は九条金の娘で学園の校長を務めている。彼女は魔法師ではなく、ごく普通の一般人だが隣にいる老人は元順位7位という最高位の魔法師だ。


[さて、君とここで落ち合って話をするということだがこちら側から伝える用件を話そう。まず君は、ごく普通の学生として暮らしてもらう。他の学生達と比べて、何か便宜を測るということは基本ない。ただし、任務などによって欠席した場合は公欠となる。 また、君からの要望通り学院内にある研究施設のうち一つを君専用として貸し出すことは決まっている。]

[それで構いません。]

[更に 学院内において君の順位を明かすことは禁止する。無用な混乱は避ける為だ。]

[別にいいですよ 順位をひけらかすつもりはありません。平凡な学生として過ごしますよ。]

[平凡な学生として暮らすのう。果たして君にそんなことができるのか?]

[どういう事ですか?]

[今まで君は、幼少期の頃から軍人に囲まれて育っている。内界で育ってきた 学生のことなど何も知らんのであろう?]

[それはそうですが。]

[九条殿からは、君に対して世間一般の常識と学院で普通の魔法師を見てもらい今まで自分がどれだけ特異な環境にいたのかを実感してもらいたいと言われている。]

[まぁ別に構いませんが、要件はこれで終わりなら帰りますが。]


 ネイトは踵を返し部屋から立ち去った。



[あれがヤマト最強の魔法師ですか。]

[まだまだ子供。にもかかわらず、魔物と戦わせるとは大人として 不甲斐ない気持ちでいっぱいじゃよ。この、学園で今まで失ってきた子供として過ごす時間を手に入れて欲しいものだ。]

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