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幼なじみ(純愛篇)

作者: 謎の男

僕には(あかね)と言う幼なじみがいる。

茜が幼稚園の頃に隣に引っ越して来て以来、小学校・中学校・高校とずっと同じクラスの腐れ縁だ。

と言っても小さい町で小・中学は各学年に1クラスしかないからだったけど…

茜は結構、可愛くて明るい性格なので男女共に人気がある。

小学生の頃は好きだった時期もあったけど、意外と男勝りだったりするところがあっていつの間にか距離を置いていた。

高校進学の時は茜から離れようとして、早くから有名男子校に希望を出した。

しかし、自分達の年から共学になったと言う理由で女子高希望だったハズなのに同じ科に希望を出してきたり…

かと言って僕のことを好きだとは思ってない素振りを見せて、茜の考えていることはわからない。

大学に進む時に、僕は上京、茜は地元に残り、やっと別々になれた。

充実した生活だったが、彼女はなかなか出来なかった。

数年後、久しぶりに正月に帰郷すると駅でバッタリ茜に会った。

(ひろし)クン久しぶりね。元気?』

「まあね。茜は相変わらず元気そうだね」

『うん…』

久しぶりに見る茜はすっかり、大人の魅力があって、慣れているはずなのにドキドキしていた。

『ねぇ、緊張してる?』

「んなこと…」

僕は照れ隠しで否定すると、茜は突然キスして来た。

「なんだよ…」

『私…浩クンのこと…ずっと…好きだったんだよ…』

「えっ!?」

『気付いてなかったの?鈍感!』

突然の告白に困惑していると不意をついて、再びキスをして来た。

「おい!」

『あ、赤くなってる♪私のこと好きなんだね♪』

「誰がだよ…」

すると突然、手を繋いできて

『久しぶりにデートしよ♪』

と無理矢理、誘おうとする。

「そ…それは…」

断ろうとしても

『やっぱり…ずっと前から私のこと好きだったからだよね!』

「ち…違うよ!」

『私が知らないとでも思った?』

そういうと僕の手を引いてある場所に誘い込む。

「えっ!?ここって!」

『いいでしょ?』

その場所は僕が上京する少し前に出来たチャペルだった。

「ちょ…ちょっと!」

『私とじゃ…ダメ?』

躊躇してる僕をじっと見つめてくる。

「…」

答えられないでいると

『向こうで…彼女…いるの?』

「い…いないよ…」

『良かった…ねぇ?私と付き合う?』

と潤んだ瞳で訴えてくる。

「でも、今さら茜とは…」

断ろうとすると、再びキスをして

『でも…私…ずっと待ってたんだよ!』

と涙を浮かべる。

「あ…茜…」

僕にはどうすれば良いか分からなかった。

『また…付き合おうよ!!』

そう言うと僕をじっとみつめる。

その視線を反らすと

『そう言えば中学のフォークダンスの時もだったね♪』

と僕の胸に手を当てて鼓動を確認する。

「あっ…茜っ!!!」

『私で…こんなにドキドキしてくれてる♪』

そう言うと背伸びしてキスをしてくる。

「茜…」

僕はその行動にビックリして動けないでいると僕に抱きついたまま泣いていた。

『鈍感男っ!!!』

茜は僕の身体を揺らしながらおもいっきり泣いていた。

「な…なんだよ!!」

『ずっと待ってたんだからっ!!』

そう言うと、またキスをして放さない。

「外してよ!茜!」

“ベチン!”

すると怒りに任せて全力で頬を平手打ちし

『もう!意気地無し!!!浩っ!!』

と迫ってくる。

「あ…茜…」

僕は突然の状況にうろたえていると

“ベチン!”

『何よ!私…本当に浩クンと結婚したいの!女の子にプロポーズさせる気?』

と睨むようにして問いかける。

「そっ…そんな…」

『“そんな”じゃないわよっ!分からず屋!!!』

「ぼ…僕は…」

東京に出て一生懸命働いて…

“新しい恋”もたくさん探した。

だけど…

どんなに魅力的な女性と出逢っても茜を超える存在は現れなくて、結局恋人とは出会えなかった。

そんな“僕の本心”を見抜いていた“茜”に…

あの頃より数倍も魅力的になった“茜”に…

“再び初恋”していた。

ドキドキを隠しきれない僕は赤面して、こんな状況なのに“本心”を伝えられずにいる。

「あっ…茜っ!ぼ…僕はっ!」

『焦れったいわね!男ならはっきりして!』

そう強がっていたけど本当はちょっと泣いていた。

それに気付いた僕は

「茜!ぼ…僕は…ずっと…すっ…好きでしたっ!」

照れながら言ったけど、納得してもらえず

『言うなら私の顔…しっかり見なさい!』

「茜!ずっと…ずっと好きでした!僕には茜しかいませんっ!」

とはっきり目を見ながら言った。

すると軽く微笑んで

『ねぇ?今度は浩クンからキスしてきて!』

「は…はい…」

僕はドキドキが抑えられずにいたけど勇気をだしてキスした。

『いいよね?お付き合いしても?』

その昔から変わらない安心できる笑顔に

「はい!」

と返事していた。

『じゃ、デートしよ♪』

こうして僕達は再び付き合うことになった。

その後…

僕達の交際は上手く進み…

あのチャペルの前で

「あ…茜っ!け…結婚しよう」

『は…はいっ!お願いします!』

こうして僕達は結ばれた。

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