絶「初デート×何度目かのデート=ベストマッチ!」
「はぁ……。……どうして、こんなことに……」
アタシ、秋村柑奈は、Nebburico……じゃなくて網橋理子に呼び出され、空の宮市内のとある遊園地にやって来ていた。
「……先に、来てたのね」
「呼び出したのは、私の方だから。……それで、ここに来てくれたってことは、私と付き合うことに対して『YES』であるって捉えていいの?」
「はぁ……。そりゃあ、あんなにアプローチされたらね……。……でもアタシ、あんたのこと……じゃなくて、あんた達のこと、よく知らないから。今日一日で、いろいろ教えて」
「……わかった、ありがとう。……私を……見ようとしてくれて」
「……ふん」
◆
「……あの日も、この遊園地でデートしたわね」
「……そうだったね」
アタシのかけた言葉に反応した理子は、アタシと同じように観覧車の窓から夕焼けに染まっていく空の宮の町を眺めている。
「……あれから、何回デートしたかしら」
「……途中までは、数えてた。今は、もう分からない」
「……分からなくなるくらいには、してたわよね」
「……うん」
「……でも、アタシ達あんまり変わっていないわね」
「変わったところといえば……」
「「……片想いか、両想いか」」
「……っ!」
「……っ」
予想外の同調に、お互い赤面しながら見つめ合う。
「……いつから?」
「え?」
「いつから、好きになってくれたの……?」
「そんなの…………いつの間にかよ」
「……そっか」
「そんな答えで満足しちゃうの?」
「満足というか…………納得。……今までいろんな人生を送ってきたから」
「……? ……あぁ、二次元の中で、ね」
「……何度も恋心を表現してきたけれど、あまり『明確に文で表せるキッカケ』を持ったキャラはいなかった。全くいなかった訳じゃ、なかったけれど。……だから『私』もそのステージに立ったのかなって」
「……まどろっこしい話は、理子と『こども達』の間で済ませてよ」
「……そうだったね、ごめん」
「別にいいわ。今に始まったことじゃないし」
「……柑奈」
「なに?」
「…………こんな私だけど……いつもありがとう」
「……」
「……ありがとう。私を見ていてくれて」




