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利「オーディション×一目惚れ=ベストマッチ!」
「…………」
「……どうだった、映。気に入った候補はいたか?」
「……はぁ、いませんわ。みんな、よく洗練された執事だと思いますわ。けれど……私はもう少し純粋な人間がいいですわ。まるで、切り出したばかりの宝石の原石のような…………」
「……そうだったか」
「申し訳ございません、旦那様、お嬢様。私が至らないばかりに……」
「もういい、屋久島。下がりなさい」
「承知しました」
「……また、次の候補を連れてくるわね」
「……私、何人も見て疲れましたわ。……テレビが観たいですわ」
「姫路、テレビをつけなさい」
「かしこまりました」
ママの執事、姫路が我が家の巨大テレビの画面をつけると、ニュース映像が流れ始めた。
『本日未明、S県の風俗店にて、十五人の未成年の少女達を違法に労働させていたとして、経営者の工藤玄馬容疑者が逮捕されました。工藤容疑者は容疑を認めており……』
「……」
「姫路」
「申し訳ございません。今すぐチャンネルを…………」
「見つけましたわ……」
「「え?」」
「パパ、ママ。私を今すぐS県へ連れていってちょうだい!」