私「七年×回想=ベストマッチ!」
説明しよう。
私、厳島映は、屋敷で夕食を食べていた。
「いかがでしたか、本日のメニューは?」
「とても美味しかったですわ。特に、デザートのプリンが私は好きですわ。やっぱり翡翠が作るディナーは最高ね」
「ありがたきお言葉」
「……そういえば翡翠」
「なんでしょうか、お嬢様」
「今年もそろそろ、『あの日』ですわね」
「……そうですね」
「何年経ったのかしら」
「今年で七年でございます。……わたくしが、お嬢様と出会ったのは」
◆
説明しよう。
私、厳島映は、パパとママと三人で、食卓を囲んでいた。
「……映よ」
「なんですの、パパ?」
「もうすぐで、お前の七歳の誕生日だな」
「そうですわね」
「映は、誕生日プレゼントに何が欲しいの? ママ達がなんでも買ってあげるわ」
「なんでも? なんでもいいんですのね?」
「ええ、もちろん」
「だったら私、専属の執事が欲しいですわ。いつまでもどこまでも私についてきて、どんな命令でも完璧にこなす、そんな執事が」
「まあ、執事……」
「……いいだろう。確かにお前の周りにはメイドを三十人つけているが、執事はまだだったな。……よし、パパとママが最高の執事を探してこよう。性別はなにがいい?」
「そうですわね……。……女、女がいいですわ」
「わかった。……屋久島。今の話、聞いていたな?」
「はい、旦那様」
「明日の晩餐の時間までに、映の執事にふさわしい候補を四人、連れてきなさい」
「仰せのままに」
こうして、私の執事捜しが始まった。