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第一話 希望を胸に

私、田辺明日香(13歳)。

緑がキラキラと雨の雫で光を放っている。梅雨に入ったばかりの頃、私は桜川中学に転校してきた。

私のクラスは、今、現在、人数が多い。男子20人、女子15人のクラスだった。

クラス担任は小柄なかわいい感じの綾瀬薫(27歳)独身の女性の先生でした。

1年2組の教室にはいると、真面目そうな人達でいっぱい。

彼等を見た瞬間、

「仲良くできるかも?」そう直感した私。

顔をニンマリと微笑んで元気よく挨拶した。

「田辺明日香と言います。東京から転校してきました。まだ、何も解らないことでいっぱいなので皆さん仲良くして下さい。宜しくお願いします」

私はそういうとペコリと頭を下げた。クラスから視線を感じた。興味津々なんだろう?中途半端な時期の転校だから、注目をあびるのは当然の事かも知れない。

私は臆することなく席に着いた。

私の席は窓際で前から3列目の場所。隣の席の関口龍セキグチノボルは、よく喋るし、気があいそうなタイプだった。

「田辺ちゃん!宜しくな」

そういうと軽くwinkして見せた。

「宜しく〜」

私はにっこりと笑いながら言った。




何事もなく1カ月が過ぎようとしていた。私もなんとかクラスに慣れようと必死だった。それもこれも関口がいたから早く馴染めたのかも知れない。頼れる男子って思っていた。でもいつからか「好き」ってほのかな感情が芽生え始めていた。

そんなときクラスで人気の高い白鳥真奈美が声をかけてきた。

「田辺さん。ちょっといい?」

腕をつままれて廊下に連れて行かれる。白鳥真奈美は廊下の隅で小声で私に向かって聞いた。

「関口のこと!どう、おもってんの!?好きなの?」

顔を紅潮させてムキになって聞いてくる。そんな彼女を見て直感した。白鳥真奈美は関口のことが好きなんだって!

私は意地悪そうにこたえた。

「嫌いじゃないよ!」

それを聞いた彼女の目は鋭く私を睨みつける。

「そう…」

そういうと彼女はグループの輪の中に消えていった。




彼女の後ろ姿を見て後悔した。もう少し優しく言えば良かったって。




一週間後。

私のげた箱に一枚の手紙が入っていた。宛先も差出人も書かれていない。私は気になって少し封を開けてみる。

中を見るとこんなことが書かれていた。(関口龍君へ

龍君のことが好きです。龍君と一緒にお話するだけで幸せ。サッカーをしている龍君がいちばん好き。龍君の彼女になりたい。手紙でしか本音が言えないけど、お願い私を龍君の彼女にして下さい。)そう書いてあった。名前は小さく隅っこに書いてあった。白鳥真奈美と…。

見てはいけない内容だった。だってこれは関口へのラブレターだったからだ。

私は誰かに見られていないかビクビクしながら手紙を封して右隣の関口のげた箱にいれた。




何事もなく数日間が過ぎた。



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