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―0.プロローグ―

これは以前に投稿させていただいた「水晶色の魔法泥棒」の続編となります。こちらを読む前に「水晶色の魔法泥棒」を読んでいただくことをお勧めします

また文章がちょこちょこ変更する恐れが高いです。予めご了承ください

ドオォォォォォン!

グオォォォォォォ!!


先程から鳴り響いている爆撃音や怪物のうなり声等に怯えながら、幼い少女は洞窟の中に隠れていた

一人で逃げている際に偶然にも見つけたその洞窟は、大人が一人何とか入る程度の広さしかない

しかし、まだ小学生にも満たない少女にとっては余裕を持って隠れることができる貴重な場所であった

さらに運がいいことにその場所の周辺には木々が生い茂っている

そのため近くを注意深く観察しない限り見つけることはできない…その幸運に近い将来、少女は救われることとなる

少女はそこで体を小さく折りたたんで涙を流しながら必死で耳を塞いでいた。恐怖心で悲鳴を何度もあげそうになったがなんとか我慢しつつ、この地獄とも思える時間が過ぎることだけを願っていた


時間にしておよそ2時間…少女にとっては永遠ともいえる長い時間耐えていると、急に今まで鳴り響いていた音が鳴り止んだ

いきなり訪れた静寂に少女は困惑しながらもすぐに洞窟から出て行かなかった。彼女には先程の光景が深く心に刻まれていたため、足に力が入らなかったのである

しばらく様子を見ていたが状況が変わらなかった。少女は状況を確認するため、なんとか勇気を振り絞って洞窟から外へ出た

「な…なんなの!?」

そこには信じられない光景が広がっていた…少女の目に映ったのは変わり果てた村の姿であった

役場、家屋、畑、その他すべての物体が激しい炎に包まれ、周囲は赤く染まっていた

そのほとんどは炭と化し、原型がわからない程に崩壊している

少女は瞬時に否応なく理解した…もう自分の住んでいた世界には二度と戻れないということに…

その光景になにもできず呆然としていたが不意に両親の顔が目に浮かんだ

「…!パパ、ママ?」

一度考え出すと不安が止まらなくなり少女は一度、自宅へと向かった

なるべく周囲の光景を見ないようにしながら変わり果てた村をひたすら走っていく

状況から考えると絶望的ではあるが、少女はこのとき「自宅はきっと大丈夫」と信じて疑わなかった

やがて少女は最後の一本道に到着した。ここをまっすぐ進んで角を右に曲がれば少女の家が見える

ここまでひたすら走っていたため、息があがり立っているのもつらいほど消耗していた。しかし、そんなことは気にせず気力だけで最後の道を駆ける

ようやく、走りきったその先には――

「そ、そんな……」

――今までの思い出が全てガラクタと化してしまった炭の塊がそこに広がっていた

「い、いやぁぁぁ!!」

そこ光景を見た瞬間、少女の我慢していたものが一気に崩壊し、その場で悲鳴を上げた

するとその悲鳴に導かれるように誰かが少女に近づいてくる。しかし、すでに少女はその場から動けるような状態ではなかった。やがて、到達した何者かを一目見ると少女はその場で意識を失った


「!!…またいつもの夢…」

急に彼女の意識が覚醒する。ベッドから上半身を起こしてその姿を確認する。すると彼女の体はまるでマラソンをした直後のようにびっしょりと濡れていた

(…これもいつものこと…)

その姿を見ていつものようにため息をもらすとそのまま窓の方へ歩く。軽くカーテンを開けると、周囲は薄暗いまま…まだ朝日が昇るのは数時間先のようである

(今日もよく眠れなかった)

あの日から、あの忌まわしき出来事を経験してから彼女は一度も深く眠ることはできていない――今日もまた、例外ではないようだ

着ていた衣類を脱ぎ洗濯かごへ入れるとシャワールームに入り汗を流した


シャワールームから上がるとバスタオルを体に巻きつけて部屋に戻ってきた

幼くも整った顔立ちにそれに似合わないスタイル(特に胸)をもっているため、その姿は神秘的な魅力に溢れている。そして肩まである髪をドライヤーで乾かすと、髪を左側へ集めてシュシュでまとめる。その髪型はいわゆるサイドポニーと呼ばれるもので、その容姿を助長するかのようによく似合っていた

最後に白銀高等学校指定の制服に身を包むと、一枚のプリントを手に取った

「これで、もしかしたら変わるかもしれない」

その表情から感情を読み取るのは困難なほど変化はすくなかったが、かすかに口元が緩んだようにみえる

その手に持つ一枚のプリント――


「夏季、新魔法闘技会コロセウム開催の案内」

それを握っている手には、プリントに皺ができるほどに力が込められていた


今回は、魔法闘技会をメインにバトル多めに頑張っていこうと思います。またよろしくお願い致します

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