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おなかがすいたらほしぞらをみよう

作者: 霧澄藍

 おなかがすいてめがさめた。まどのそとをみるともうたいようがでてきはじめていてあかるい。

 ふとんからはいでるとつめたいかぜがはだにあたってつめたかった。こんなにさむいならゆきがふればいいのにな、とおもう。

 おかあさんもおねえちゃんもまだふとんのなかにいて、ねてるみたいだった。さいきんはふたりともおきるのがおそい。まえはわたしがおそくて、ふたりにおこされてたのに。

 さむかったけどおなかがすいていたので、だいどころにいく。おかあさんのみようみまねでたべものがはいってるはこをあける。

 なかみはかぶのはっぱがにまい。はしっこをちぎってかじったけどにがかった。

 はしっこがちよっとだけないはっぱをもういちまいのはっぱのしたにかくして、ふたをとじた。

 ほかのひきだしをあけてもたべものはない。そのかわり、いちまいのかみをみつけた。いつもおかあさんがおこめとこうかんしてるかみだ。なくしたらごはんたべられなくなるよ、っていわれてたけど、こんなところにあったのか。

 ふとんのへやにもどって、おかあさんをおこそうとする。でも、せっかくねてるおかあさんをおこすのはかわいそうだとおもった。

 だから、このかみをわたしがおこめとこうかんしにいくと、きめた。

 ごはんのかみをぽけっとにいれて、うわぎをいちまいきて、いえをでる。ひゅうっとかぜがふいて、おかっぱあたまじゃかくれないくびがなでられたみたいでさむい。でもくびにまくせーたーは、おかあさんがおとといどこかにもっていってしまったから、さがしたけどみつけられなかった。

 はー、はー、とてをあったかいいきであっためて、いっぽずつふみだした。

 おかあさんもおねえちゃんも、わたしがでかけることをしらない。なんだかすごいことをしてるきぶんだった。

 みちがふたつにわかれている。どっちいけばいいか、おかあさんとあるいたことをおもいだす。

 きめたみちを、ずんずんあるく。それからも、がんばっておもいだしてすすむ。ちょっとずつたてものがへってきがふえて、こわかったけど、おこめのためにがんばった。でも、やっぱりさびしい。おねえちゃんとくればよかった。

 もりのなかをすすんでいくと、うさぎがまえからはしってくる。みちをききたかったけど、とおりすぎていってしまった。

 そんなうさぎのせなかをみていると、うしろからこえをかけられた。

「そこのお嬢さん、こんなところで何してるんだい?」

 みると、おおきなくまさんがたっている。おこめがもらえるばしょをしりたいというと、しらないとくびをふった。

「どこで貰えるのかはわからないけど、この辺りで貰えないことはわかるよ」

 このあたり、ってことは、みちをまちがえたかもしれない。もどろうとおもってもみちがわからない。

 どうしようとおもっていると、くまさんがかおをのぞきこんできた。

「迷っているなら、森の外まで案内してあげよう」

 そういうと、けしきがきらきらとひかって、きづいたらわたしはくまさんのせにのっていた。まほうのばしゃみたいにはしりはじめる。はやくておちそうで、ちょっとだけこわい。でも、しらないはやさですごいたのしかった。

 あっというまにもりのそとにでて、おろしてもらう。ありがとうといおうとしたとき、どこからかしゃらしゃらとおとがして、くまさんはもりにかえってしまった。

 しゃらしゃらがちかづいてくる。でもわたしはくまさんとちがってこわくない。だってこれは、おかあさんがいつもつかってるおとだから。

 みちのむこうから、おかあさんがあるいてくる。わたしをみつけるとはしりはじめた。ちかくにきて、おかあさんのこーとをはおったおねえちゃんだとわかった。

「香穂、香穂…」

 おねえちゃんがわたしのことをだきしめる。おねえちゃんはなぜかないていた。おねえちゃんのきてるふくからはおかあさんのにおいがして、おかあさんにだっこされてるみたいだった。

 そのままおねえちゃんにだきかかえられていえにかえる。とちゅうでおねえちゃんはわたしがおこめのかみをもってることにきづいて、おなかがすいたんだね、とつぶやいた。それいがい、おねえちゃんはなにもはなさなかった。

 ただいま、といっていえにはいると、すごくしずかでびっくりした。おかあさんはまだねてるみたいだ。おねえちゃんにかかえられたままふとんのへやをみにいくと、おかあさんのふとんだけまだもりあがっていた。はいるのかなとおもったら、なぜかおねえちゃんはふすまをしめてしまった。

 おねえちゃんはわたしをだいどころのいすにすわらせて、りょうりをはじめた。はっぱをいくつかつかっている。たべもののはこからかぶのはっぱもとりだした。あっとおもったけど、きづかなかったみたいでおこられなかった。

 そしてできあがったすーぷは、わたしがきらいなやさいすーぷだ。でもこれしかたべものがないからたべている。でもおねえちゃんは、できたすーぷをぜんぶじぶんのおわんにいれて、ひとりでのんでしまった。

 たべおわったおさらをあらいもしないで、わたしをかかえてえんがわにむかう。

「ほらみて、香穂。お星さまが綺麗だよ」

 わたしもいっしょにそらをみる。

「あ、あの星とあの星とあの星で、焼き芋みたいに見えるね」

 うん、とうなずく。おねえちゃんはわたしのおなかがすいたとき、いつもそらにたべものをみせてくれた。

「ねえ、香穂。焼き芋、食べたい?」

 うん、とうなずく。

「食べれるよ、これから。お母さんも一緒に…もちろん私も」

 おねえちゃんがやさしくわたしのあたまをなでる。あたたかくてきもちいい。なんだかねむくなってきて、そのまましずかにねた。






「おやすみ、香穂」

 満点の星空の下、二人の少女は静かに眠る。

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