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元ラガーマンおっさんとモフモフ子狼の異世界飯!~クラフトスキルで始める、食いしん坊開拓物語~  作者: はぶさん


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第38話:森の恵みを温める!頼れる相棒・湯沸かし鍋


翌朝。ユウキは、洞窟に設置された石釜の残り火の温かさに包まれながら目を覚ました。ひんやりとした洞窟の空気も、石釜のおかげで以前よりずっと過ごしやすくなっている。隣ではルークが、ユウキの胸元に顔をうずめて、穏やかな寝息を立てている。その少し離れた場所では、モフモフ草食竜が、丸まって静かに眠っていた。


「よしよし、ルーク。モフモフも。おはよ。今日も一日、頑張るか!」


優しく頭を撫でてやると、ルークは「クゥン」と小さく鳴いて、体を伸ばした。モフモフ草食竜も、ユウキの声に反応して、クリクリとした目を開け、小さく「キュルル……」と鳴いた。朝一番の仲間たちとの触れ合いは、ユウキにとって何よりの癒やしであり、この「嘆きの森」での日々を充実させる原動力となっていた。


**今日一日でクラフトできるのは一つだけ。** 洞窟の拠点には、石釜、蒸し器、燻製器、麺棒と板、泡だて器、コーヒーミル、手作りの食卓と椅子、携帯用簡易調理セット、粉ふるい器、手動式製麺機、簡易食品乾燥機、香辛料粉砕器、搾油機、蒸しパン製造器、酒造/発酵容器、冷蔵/保冷庫、臼と杵、調理台、麺棒・型抜きセット、網焼き器/串焼き台、茶器/抽出器、そして昨日完成した簡易濾過器といった調理器具や食器、加工・保存に関する道具が揃い、食に関する基盤は完璧に整い、食卓はあらゆる味覚と食感で豊かになった。


ユウキは、濾過器の完成を機に、以前から計画していた森の奥地への探索を本格的に実行する決意を固めていた。これまで拠点周辺でしか手に入らなかった食材だけでなく、さらに奥深くに進めば、きっと見たことのない珍しい植物や、新たな獲物、そして特別な香りのする木の実など、未知の「食の恵み」が見つかるはずだ。しかし、広大な森の奥地で活動するには、準備が不可欠だった。特に、安全な水を確保できる濾過器は手に入れたが、寒い日や体が疲れた時に、温かい飲み物や食事をその場で摂れるかどうかは、活動の快適性と安全性を大きく左右する。


「なぁ、ルーク。モフモフも。今日から俺たちは、もっと森の奥へ行くぞ!」


ユウキが宣言すると、ルークは「ワフッ!」と興奮したように一声上げ、モフモフ草食竜も「キュルルルル!」と全身の毛を逆立てて喜んだ。彼らも新しい場所、新しい匂いに期待しているようだ。


「そうだな。でも、遠くに行くってことは、準備がもっと大事になる。濾過器で水は安心だけど、温かいものが飲めないと、体が冷えちまう。だから、今日は……**『簡易的な携帯用湯沸かし/浄化鍋』**をクラフトするぞ!」


ユウキは熱を帯びた声で説明する。この鍋があれば、濾過したばかりの冷たい水をその場で沸かし、温かい飲み物に変えられる。さらに、採取したばかりの野草や小さな獲物で、手軽に温かいスープを作ることも可能になるだろう。これは、まさに「調理器具」であり、野外での「加工」に欠かせない重要な一手だ。


「これがあれば、寒い日でも温かいスープを飲めるし、ルークもモフモフも、もっと元気に探索できるからな!」


ルークは「ワフフン!」と鼻を鳴らし、モフモフ草食竜は「キュルルル!」と可愛らしい声で応える。彼らの瞳は、冒険の予感にキラキラと輝いている。ユウキの脳裏には、軽量で熱効率が高く、直火にかけられる**「熱伝導石ねつでんどうせき」**と呼ばれる鉱石と、持ち運びやすいように加工できる丈夫な**「軽木かるき」**の姿が浮かび上がった。これら全て、この「嘆きの森」で手に入る天然の素材だ。


早速、クラフトに取り掛かる。ルークとモフモフ草食竜も、ユウキの隣にちょこんと座り込み、目をキラキラさせて作業を見守っている。ユウキはまず、選りすぐった熱伝導石と軽木を選び出す。頭の中で**「簡易的な携帯用湯沸かし/浄化鍋」**の設計図が浮かび上がる。小型で、濾過器と組み合わせて使用できるようなデザイン、そして持ち運びやすいように取っ手は折りたたみ式にし、蓋もセットにするイメージだ。


ユウキは、必要な素材を揃え、クラフトのスキルを発動する。手元の熱伝導石が加工され、薄く、しかし丈夫な鍋の本体へと成形されていく。軽木が削られ、折りたたみ式の取っ手へと合成されていく。カシュン、カシュンと、素材が合成されていくような音が微かに響く。スキルを使うユウキの手は澱みなく動き、まるで魔法のように素材が新たな形を成していく。ルークとモフモフ草食竜は、その光景を不思議そうに、しかし真剣な眼差しで見つめている。モフモフ草食竜は、熱伝導石から立ち上る微かな熱に「キュルル……!」と小さく鳴き、興味深そうに鼻を近づけた。彼の鼻は、ユウキが気づかないような微細な温度変化も感じ取っているようだ。


「こらこら、お前たち。これはまだ温かい飲み物じゃないぞ。でも、これができれば、森の奥でも温かい美味いもんが食えるようになるんだからな!」


ユウキが笑いながら言うと、ルークは「クゥン」と小さく鳴き、モフモフ草食竜も「キュルル!」と嬉しそうにしっぽを振った。まるで「早く温かいものを体験したい!」と言っているかのようだ。二匹はユウキの足元でじゃれつき、時折、完成していく鍋に鼻を近づけては、新しい匂いや素材の感触を確かめている。その無邪気な様子に、ユウキは自然と口元が緩む。彼らがどんな状況でも快適に過ごせるよう、ユウキは常に最善を尽くしたいと考えていた。


ユウキの魔力が素材に流れ込み、加工が進む。やがて、光が収まると、ユウキの目の前に、見た目は素朴だが、機能性と実用性を兼ね備えた**手作りの簡易的な携帯用湯沸かし/浄化鍋**が一つ、完成していた。手のひらに収まるほどの小型の鍋で、取っ手は折りたたむことができ、ぴったりと閉まる蓋も付属している。軽量で、携帯用簡易調理セットの中に収まりそうだ。表面は熱伝導石特有の鈍い光沢を放ち、内側は滑らかに磨かれている。


「うおお! できた! これが俺たちのポータブル温め器だ! ルーク、モフモフ、見てみろ!」


ユウキが完成したばかりの鍋を二匹に見せると、ルークは興奮したように立ち上がり、鍋の匂いを嗅いで「ワフッ!」と一声上げた。モフモフ草食竜も、ユウキの足元にまとわりつき、クリクリした目で鍋を見上げている。


「ワフッ! ワフッ!」

「キュルル! キュルル!」


と、二匹は喜びの声を上げ、ユウキの周りを跳ね回る。その仕草に、ユウキは思わず二匹をまとめて抱き上げて、その頭を優しく撫でてやった。ルークはユウキの腕の中で嬉しそうに尻尾を振り、モフモフ草食竜はユウキの肩に頭をすり寄せる。


「よしよし、そんなに喜んでくれるのか。じゃあ早速、試してみるか!」


ユウキは早速、湯沸かし鍋を携帯用簡易調理セットの中に収めてみた。ぴったりと収まり、持ち運びも楽そうだ。


「よし、準備万端だな! 早速、明日からこの新しい鍋と濾過器を持って、森の奥へ向かうぞ!」


ユウキが力強く宣言すると、ルークは「ワフッ!」と吠え、モフモフ草食竜は「キュルルル!」と嬉しそうに飛び跳ねた。彼らの目は、既に新たな冒険への期待で満ちている。


「なぁ、お前たち。明日は、もっと遠くの森に行くぞ! 新しい発見があるかもしれないし、この鍋があれば、温かいもんも食えるからな! 楽しみにしてろよ!」


ユウキがそう言うと、ルークは「クゥン」と短く鳴き、モフモフ草食竜も「キュルル……」と喉を鳴らした。まるで「うん、楽しみだね!」と言っているかのようだ。彼らはユウキの言葉に耳を傾け、冒険の予感に瞳を輝かせている。ユウキは、そんな彼らの信頼に応えるべく、これからもこの異世界で、最高に美味しい料理と、安全で快適な生活を追求していくことを心に誓った。


簡易的な携帯用湯沸かし/浄化鍋の完成は、ユウキの異世界生活における「野外活動の快適性」と「食の温かさ」を、新たな次元へと引き上げた。これで、より安心して野外での活動に打ち込めるようになる。この「嘆きの森」での生活は、ルークとモフモフ草食竜というかけがえのない仲間と共に、ますます豊かで充実したものとなった。


一日の終わりに、石釜から放出される穏やかな熱を感じながら、ルークとモフモフ草食竜の頭を撫でる。二匹はユウキの腕に顔をこすりつけ、小さな寝息を立てている。次は何をクラフトしようかと考える。湯沸かし鍋を持っての探索が楽しみだ。新たな食材を見つけたら、**その食材に特化した調理器具**や、**新たな保存方法**が必要になるかもしれない。


「よし、明日は、この洞窟での生活をさらに充実させるための、あれをクラフトするぞ!」


ユウキは仲間たちの温もりを感じながら、次なるクラフトに期待を膨らませ、静かに目を閉じた。


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### 連載スケジュールについて


**おっさん・ユウキとルークの異世界開拓記、いよいよ本格始動!**


この物語は、**2025年7月28日(月)より、毎日連載をスタートします!**


* **2025年7月27日(日)までに、第1話から第20話までが公開済みです。**

* **第21話以降は、7月28日(月)より順次公開いたします!**


今後の公開スケジュールはこちら!


* **平日(月~金):朝と晩に1話ずつ公開**

* **週末(土~日):朝・昼・晩に1話ずつ公開**


読者の皆さんの応援や反響次第で、公開ペースをさらに増やすことも検討してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


**ユウキとルークの異世界開拓記、ぜひお楽しみください!**


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