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元ラガーマンおっさんとモフモフ子狼の異世界飯!~クラフトスキルで始める、食いしん坊開拓物語~  作者: はぶさん


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第33話:料理人の城!簡易調理台


翌朝。ユウキは、洞窟に設置された石釜の残り火の温かさに包まれながら目を覚ました。ひんやりとした洞窟の空気も、石釜のおかげで以前よりずっと過ごしやすくなっている。隣ではルークが、ユウキの胸元に顔をうずめて、穏やかな寝息を立てている。その少し離れた場所では、モフモフ草食竜が、丸まって静かに眠っていた。


「よしよし、ルーク。モフモフも。おはよ。今日も一日、頑張るか!」


優しく頭を撫でてやると、ルークは「クゥン」と小さく鳴いて、体を伸ばした。モフモフ草食竜も、ユウキの声に反応して、クリクリとした目を開け、小さく「キュルル……」と鳴いた。朝一番の仲間たちとの触れ合いは、ユウキにとって何よりの癒やしであり、この「嘆きの森」での日々を充実させる原動力となっていた。


**今日一日でクラフトできるのは一つだけ。** 洞窟の拠点では、石釜、蒸し器、燻製器、麺棒と板、泡だて器、コーヒーミル、手作りの食卓と椅子、携帯用簡易調理セット、粉ふるい器、手動式製麺機、簡易食品乾燥機、香辛料粉砕器、搾油機、蒸しパン製造器、酒造/発酵容器、冷蔵/保冷庫、そして昨日完成した臼と杵といった調理器具や食器、加工・保存に関する道具が揃い、食に関する基盤は完璧に整い、食卓はあらゆる味覚と食感で豊かになった。しかし、ユウキの頭の中には、**「食材の下ごしらえや調理作業をもっと効率的に、衛生的に行える専用の場所がほしい」**という新たな欲求が湧き上がっていた。これまでは食卓や地面で作業を済ませていたが、もっと快適で本格的な調理スペースがあれば、料理の質とスピードが格段に上がるはずだ。これは、まさに「調理器具」の一部であり、料理の効率化と衛生面を向上させる重要な一手となる。


「なぁ、ルーク。モフモフも。お前たち、俺が料理してる時、地面に座って待ってるだろ? もっと俺がササッと、色んな美味いもん作れる場所があったら、どう思う?」


ユウキが問いかけると、ルークは「ワフッ!」と興味津々に一声上げ、モフモフ草食竜も「キュルルルル!」と期待に満ちた目でユウキを見上げた。ササッと、という言葉に二匹とも期待で胸を膨らませている。


「ああ、もちろん! これがあれば、今までよりずっとスムーズに料理ができて、お前たちを待たせる時間も減るんだ。それに、もっと色んな凝った料理にも挑戦できる。だから、今日は……**『簡易的な調理台』**をクラフトするぞ!」


これで、ユウキは食材のカット、下ごしらえ、生地をこねるなどの作業を、立ったまま快適に行える専用の場所を手に入れる。衛生面も向上し、料理の効率が格段に上がるだろう。必要な素材は、堅牢な木材と、平らで清潔な石板だ。ユウキは、洞窟の近くで見つけた、表面が滑らかで加工しやすい「清岩せいがん」と呼ばれる石と、安定した構造を作るための丈夫な「剛木ごうぼく」と呼ばれる木材の存在を思い出した。これら全て、この「嘆きの森」で手に入る天然の素材だ。


早速、クラフトに取り掛かる。ルークとモフモフ草食竜も、ユウキの隣にちょこんと座り込み、目をキラキラさせて作業を見守っている。ユウキはまず、選りすぐった剛木と清岩を選び出す。頭の中で**「簡易的な調理台」**の設計図が浮かび上がる。ユウキの身長に合った高さの作業台で、下部には調味料や道具を置ける棚を設けるイメージだ。


ユウキは、必要な素材を揃え、クラフトのスキルを発動する。手元の剛木が削られ、柱や枠へと成形されていく。清岩が滑らかな天板へと加工される。カシュン、カシュンと、素材が合成されていくような音が微かに響く。スキルを使うユウキの手は澱みなく動き、まるで魔法のように素材が新たな形を成していく。ルークとモフモフ草食竜は、その光景を不思議そうに、しかし真剣な眼差しで見つめている。モフモフ草食竜は、清岩のひんやりとした感触に「キュルル……!」と小さく鳴き、興味深そうに鼻を近づけた。


「こらこら、お前たち。これはまだ食べられないぞ。でも、これができれば、もっとササッと美味いもんが食えるんだからな!」


ユウキが笑いながら言うと、ルークは「クゥン」と小さく鳴き、モフモフ草食竜も「キュルル!」と嬉しそうにしっぽを振った。まるで「早くササッと!」と言っているかのようだ。


ユウキの魔力が素材に流れ込み、加工が進む。やがて、光が収まると、ユウキの目の前に、見た目は素朴だが、安定感と実用性を兼ね備えた**手作りの簡易調理台**が一つ、完成していた。高さはユウキの腰より少し上で、天板は広く平らな清岩製。下部には二段の棚が設けられ、調味料や頻繁に使う道具を置けるようになっている。


「うおお! できた! これが俺たちのキッチンカウンターだ! ルーク、モフモフ、見てみろ!」


ユウキが完成したばかりの調理台を二匹に見せると、ルークは興奮したように立ち上がり、新しい石の匂いを嗅いで「ワフッ!」と一声上げた。モフモフ草食竜も、ユウキの足元にまとわりつき、クリクリした目で調理台を見上げている。


「ワフッ! ワフッ!」

「キュルル! キュルル!」


と、二匹は喜びの声を上げ、ユウキの周りを跳ね回る。その仕草に、ユウキは思わず二匹をまとめて抱き上げて、その頭を優しく撫でてやった。


「よしよし、そんなに喜んでくれるのか。じゃあ早速、この調理台で、今日の晩飯を仕込んでやるか!」


ユウキは早速、新しい調理台に包丁やまな板代わりの石板、昨日作った香辛料などを並べてみた。立ったまま、スムーズに作業ができる感覚に、思わず笑みがこぼれる。ルークとモフモフ草食竜も、ユウキの傍らで、見慣れない調理台に興味津々で鼻を動かしている。


「なぁ、お前たち。これで、俺も料理がもっと楽しくなるぞ! 期待してろよ!」


ユウキがそう言うと、ルークは「クゥン」と短く鳴き、モフモフ草食竜も「キュルル……」と喉を鳴らした。まるで「うん、楽しみだね!」と言っているかのようだ。


簡易的な調理台の完成は、ユウキの異世界生活における「調理環境の快適性」と「料理の効率化」を、新たな次元へと引き上げた。これで、より複雑な料理にもスムーズに挑戦できる。この「嘆きの森」での生活は、ルークとモフモフ草食竜というかけがえのない仲間と共に、ますます豊かで充実したものとなった。


一日の終わりに、石釜から放出される穏やかな熱を感じながら、ルークとモフモフ草食竜の頭を撫でる。二匹はユウキの腕に顔をこすりつけ、小さな寝息を立てている。次は何をクラフトしようかと考える。調理環境が整ったことで、**より繊細な料理の追求**や、**特定の食材の加工**に焦点を当てられそうだ。


「よし、明日は、この洞窟での生活をさらに充実させるための、あれをクラフトするぞ!」


ユウキは仲間たちの温もりを感じながら、次なるクラフトに期待を膨らませ、静かに目を閉じた。


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### 連載スケジュールについて


**おっさん・ユウキとルークの異世界開拓記、いよいよ本格始動!**


この物語は、**2025年7月28日(月)より、毎日連載をスタートします!**


* **2025年7月27日(日)までに、第1話から第20話までが公開済みです。**

* **第21話以降は、7月28日(月)より順次公開いたします!**


今後の公開スケジュールはこちら!


* **平日(月~金):朝と晩に1話ずつ公開**

* **週末(土~日):朝・昼・晩に1話ずつ公開**


読者の皆さんの応援や反響次第で、公開ペースをさらに増やすことも検討してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


**ユウキとルークの異世界開拓記、ぜひお楽しみください!**


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