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元ラガーマンおっさんとモフモフ子狼の異世界飯!~クラフトスキルで始める、食いしん坊開拓物語~  作者: はぶさん


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第26話:保存食の魔法!簡易食品乾燥機


翌朝。ユウキは、洞窟に設置された石釜の残り火の温かさに包まれながら目を覚ました。ひんやりとした洞窟の空気も、石釜のおかげで以前よりずっと過ごしやすくなっている。隣ではルークが、ユウキの胸元に顔をうずめて、穏やかな寝息を立てている。


「よしよし、ルーク。おはよ。今日も一日、頑張るか!」


優しく頭を撫でてやると、ルークは「クゥン」と小さく鳴いて、体を伸ばした。その愛らしい仕草に、ユウキの顔も自然と緩む。朝一番のルークとの触れ合いは、ユウキにとって何よりの癒やしであり、この「嘆きの森」での日々を充実させる原動力となっていた。


**今日一日でクラフトできるのは一つだけ。** 洞窟の拠点では、石釜、蒸し器、燻製器、麺棒と板、泡だて器、コーヒーミル、手作りの食卓と椅子といった調理器具や食器が揃い、塩、醤油、果実酒、樹液糖、味噌、そして仕込み中の酢といった調味料も充実してきた。携帯用簡易調理セットで野外での調理も可能になり、粉ふるい器と手動式製麺機のおかげで、粉物料理のバリエーションも増えた。食に関する基盤は完璧に整い、食卓はあらゆる味覚と食感で豊かになった。しかし、ユウキの頭の中には、**「手に入れた食材を、もっと効率的に長期保存したい」**という新たな欲求が湧き上がっていた。特に、季節によって大量に採れる果物や、狩りで得た肉の一部を無駄なく保存する方法が必要だった。これは、まさに食材の「加工・保存に関するもの」であり、食料管理と食の多様化のための重要な一手となる。


「なぁ、ルーク。お前、美味い果物とか肉とか、たくさん採れても、全部すぐに食いきれないだろ? もっと長い間、美味しく保存する方法があったら、いつでも食べられると思わないか?」


ユウキが問いかけると、ルークは「ワフッ?」と首を傾げ、真っ直ぐな青い瞳で見上げてきた。まるで「いつでも食べられるの? それってすごい!」と聞いているようだ。


「ああ、いつでもだ! それに、保存すると、また違った美味さになることもあるんだぜ。だから、今日は……**『簡易的な食品乾燥機』**をクラフトするぞ!」


これで、ユウキは手に入れた食材を天日で乾燥させたり、石釜の余熱を利用したりして、効率的に干し肉やドライフルーツ、乾燥野菜などを作れるようになる。非常食としても役立ち、今後の冒険での携帯食としても重宝するだろう。必要な素材は、頑丈な木材、しなやかな蔓、そして通気性の良い植物の繊維だ。これら全て、この「嘆きの森」で手に入る天然の素材だ。


早速、クラフトに取り掛かる。ルークも、ユウキの隣にちょこんと座り込み、目をキラキラさせて作業を見守っている。ユウキはまず、手頃な木材と蔓を選び出す。頭の中で**「簡易的な食品乾燥機」**の設計図が浮かび上がる。頑丈な枠を作り、そこに乾燥させる食材を並べるための棚を、通気性の良い植物繊維で何段も編み込むイメージだ。


ユウキは、必要な素材を揃え、クラフトのスキルを発動する。手元の木材が形を変え、蔓が編み合わさり、植物繊維が網状になっていく。カシュン、カシュンと、素材が組み合わさっていくような音が微かに響く。スキルを使うユウキの手は澱みなく動き、まるで魔法のように素材が新たな形を成していく。ルークは、その光景を不思議そうに、しかし真剣な眼差しで見つめている。時折、ユウキが作業の合間に声をかけると、「クゥン」と小さく返事をした。


「こらこら、ルーク。これはまだ食べられないぞ。でも、これができれば、いつでも美味い保存食が食えるんだからな!」


ユウキが笑いながら言うと、ルークは「クゥン」と小さく鳴き、嬉しそうにしっぽを振った。まるで「早く美味しいジャーキーが食べたい!」と言っているかのようだ。


ユウキの魔力が素材に流れ込み、加工が進む。やがて、光が収まると、ユウキの目の前に、見た目は素朴だが、機能性を追求した**携帯もできる簡易的な食品乾燥機**が一つ、完成していた。数段の棚があり、風通しが良く、太陽の下や石釜の近くに設置できるよう工夫されている。


「うおお! できた! これが俺たちの食品乾燥機だ! ルーク、見てみろ!」


ユウキが完成したばかりの乾燥機をルークに見せると、ルークは興奮したように立ち上がり、クンクンと匂いを嗅いだ。まだ食材は入っていないが、ルークはユウキの喜びを感じ取っているようだ。


「ワフッ! ワフッ!」


と、喜びの声を上げ、ユウキの周りを跳ね回る。その仕草に、ユウキは思わず抱き上げて、その頭を優しく撫でてやった。


「よしよし、そんなに喜んでくれるのか。じゃあ早速、明日は森でたくさん果物や肉を採ってきて、この乾燥機で美味い保存食を作ってやるか!」


早速、食品乾燥機を洞窟内の適切な場所に設置する。今日の料理は洞窟の食卓で済ませるが、明日からの保存食作りが今から楽しみで仕方がない。ルークも、ユウキの隣で、いつも以上にワクワクした様子を見せている。


「なぁ、ルーク。明日は、もっと色んな美味いもんが、いつでも食えるようになるぞ! 楽しみにしてろよ!」


ユウキがそう言うと、ルークは「クゥン」と短く鳴き、ユウキの足に頭をすり寄せてきた。まるで「うん、楽しみだね!」と言っているかのようだ。


簡易的な食品乾燥機の完成は、ユウキの異世界生活における「食料の安定供給」と「食の多様性」を、新たな次元へと引き上げた。これで、食材の無駄をなくし、長期的な備蓄も可能になる。この「嘆きの森」での生活は、ルークというかけがえのない相棒と共に、ますます豊かで充実したものとなった。


一日の終わりに、石釜から放出される穏やかな熱を感じながら、ルークの頭を撫でる。ルークもユウキの腕に顔をこすりつけ、小さな寝息を立てている。次は何をクラフトしようかと考える。保存食が作れるようになったことで、**遠征や探検の可能性**も広がった。


「よし、明日は、この洞窟での生活をさらに充実させるための、あれをクラフトするぞ!」


ユウキはルークの温もりを感じながら、次なるクラフトに期待を膨らませ、静かに目を閉じた。


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### 連載スケジュールについて


**おっさん・ユウキとルークの異世界開拓記、いよいよ本格始動!**


この物語は、**2025年7月28日(月)より、毎日連載をスタートします!**


* **2025年7月27日(日)までに、第1話から第20話までが公開済みです。**

* **第21話以降は、7月28日(月)より順次公開いたします!**


今後の公開スケジュールはこちら!


* **平日(月~金):朝と晩に1話ずつ公開**

* **週末(土~日):朝・昼・晩に1話ずつ公開**


読者の皆さんの応援や反響次第で、公開ペースをさらに増やすことも検討してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


**ユウキとルークの異世界開拓記、ぜひお楽しみください!**


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