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元ラガーマンおっさんとモフモフ子狼の異世界飯!~クラフトスキルで始める、食いしん坊開拓物語~  作者: はぶさん


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第24話:食感の追求!洞窟の簡易粉ふるい器


翌朝。ユウキは、洞窟に設置された石釜の残り火の温かさに包まれながら目を覚ました。ひんやりとした洞窟の空気も、石釜のおかげで以前よりずっと過ごしやすくなっている。隣ではルークが、ユウキの胸元に顔をうずめて、穏やかな寝息を立てている。


「よしよし、ルーク。おはよ。今日も一日、頑張るか!」


優しく頭を撫でてやると、ルークは「クゥン」と小さく鳴いて、体を伸ばした。その愛らしい仕草に、ユウキの顔も自然と緩む。朝一番のルークとの触れ合いは、ユウキにとって何よりの癒やしであり、この「嘆きの森」での日々を充実させる原動力となっていた。


**今日一日でクラフトできるのは一つだけ。** 洞窟の拠点では、石釜、蒸し器、燻製器、麺棒と板、泡だて器、コーヒーミル、手作りの食卓と椅子といった調理器具や食器が揃い、塩、醤油、果実酒、樹液糖、味噌、そして仕込み中の酢といった調味料も充実してきた。さらに、昨日完成した携帯用簡易調理セットのおかげで、野外での調理も可能になった。食に関する基盤は完璧に整い、食卓はあらゆる味覚と食感で豊かになった。しかし、ユウキの頭の中には、**「もっときめ細かく、不純物のない粉を使いたい」**という新たな欲求が湧き上がっていた。これまでに作ったパンは美味しかったが、時折感じるわずかな舌触りの粗さや、混じりけが気になっていたのだ。より上質な粉は、パンの食感や、今後作るかもしれない麺類の滑らかさを格段に向上させるだろう。これは、まさに「調理に関するもの」であり、料理の質を追求するための重要な一手となる。


「なぁ、ルーク。お前、いつも美味いパンを食ってるだろ? でもな、もっとフワフワで、もっと滑らかなパンが食いたくないか? そのためには、もっと良い粉が必要なんだ!」


ユウキが問いかけると、ルークは「ワフッ?」と首を傾げ、真っ直ぐな青い瞳で見上げてきた。まるで「フワフワ? それって、もっと美味しいの?」と聞いているようだ。


「ああ、もちろん! 粉が良くなれば、パンだけじゃなくて、色んな料理がもっと美味くなるんだ。だから、今日は……**『簡易的な粉ふるい器』**を作るぞ!」


これで、ユウキが石臼で挽いた穀物や木の実の粉から、粗い部分や不純物を取り除き、より均一で滑らかな粉を得られるようになる。パンや今後の麺料理の質が格段に向上し、食の楽しみがさらに深まるだろう。素材は、細かく編むことができる特定の植物の繊維や、均一な穴を開けられる薄い木の板を使う。これら全てが、この異世界の森で手に入る天然の素材だ。


早速、手作業に取り掛かる。ルークも、ユウキの隣にちょこんと座り込み、目をキラキラさせて作業を見守っている。まず、**石の出刃包丁**を使い、薄い木の板に均一な小さな穴を開けていく。この作業は非常に繊細で、ユウキは集中して取り組む。次に、細く丈夫な植物の繊維を丁寧に編み込み、粉ふるいの枠となる部分を作り上げる。そして、穴を開けた木の板、または編み上げた繊維の網をその枠にしっかりと固定する。粉を効率よくふるうための、適切な深さと形状も考慮して、緻密に作り上げていく。


ユウキが板に穴を開けたり、繊維を編んだりするたびに、カリカリ、シュルシュルと音が響き、ルークはそれを耳をピクピクさせながら聞いている。時折、ユウキの手元に顔を近づけて、完成を心待ちにしているようだ。


「こらこら、ルーク。これはまだ食べられないぞ。でも、これができれば、もっと美味いパンが食えるんだからな!」


ユウキが笑いながら言うと、ルークは「クゥン」と小さく鳴き、嬉しそうにしっぽを振った。まるで「早くフワフワのパンが食べたい!」と言っているかのようだ。


ユウキは、汗をかきながらも、根気強く素材を加工し、組み合わせていく。前世の知識と、この異世界で培った経験、そして鍛え上げられたラガーマンの体格をフル活用して、理想の形を追求する。やがて、夕暮れが迫る頃、ユウキの目の前に、見た目は素朴だが、機能美を備えた**手作りの簡易粉ふるい器**が一つ、完成していた。


「うおお! できた! これが俺たちの粉ふるい器だ! ルーク、見てみろ!」


ユウキが完成したばかりの粉ふるい器をルークに見せると、ルークは興奮したように立ち上がり、クンクンと匂いを嗅いだ。まだ粉の匂いはしないが、ルークはユウキの喜びを感じ取っているようだ。


「ワフッ! ワフッ!」


と、喜びの声を上げ、ユウキの周りを跳ね回る。その仕草に、ユウキは思わず抱き上げて、その頭を優しく撫でてやった。


「よしよし、そんなに喜んでくれるのか。じゃあ早速、明日はこの粉ふるい器で粉をふるって、とびきり美味いパンを焼いてやるか!」


早速、粉ふるい器を保管場所にしまう。今日の料理は洞窟の食卓で済ませるが、明日のパン作りが今から楽しみで仕方がない。ルークも、ユウキの隣で、いつも以上にワクワクした様子を見せている。


「なぁ、ルーク。明日は、もっとフワフワのパンが食えるからな。楽しみにしてろよ!」


ユウキがそう言うと、ルークは「クゥン」と短く鳴き、ユウキの足に頭をすり寄せてきた。まるで「うん、楽しみだね!」と言っているかのようだ。


簡易的な粉ふるい器の完成は、ユウキの異世界生活における「食の質」を、新たな段階へと引き上げた。これで、より繊細で美味しい粉物料理を作れるようになる。この「嘆きの森」での生活は、ルークというかけがえのない相棒と共に、ますます豊かで充実したものとなった。


一日の終わりに、石釜から放出される穏やかな熱を感じながら、ルークの頭を撫でる。ルークもユウキの腕に顔をこすりつけ、小さな寝息を立てている。次は何を作ろうかと考える。粉の質が上がったことで、**新たな粉物料理の可能性**も広がった。


「よし、明日は、この洞窟での生活をさらに充実させるための、あれを作るぞ!」


ユウキはルークの温もりを感じながら、次なるクラフトに期待を膨らませ、静かに目を閉じた。


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### 連載スケジュールについて


**おっさん・ユウキとルークの異世界開拓記、いよいよ本格始動!**


この物語は、**2025年7月28日(月)より、毎日連載をスタートします!**


* **2025年7月27日(日)までに、第1話から第20話までが公開済みです。**

* **第21話以降は、7月28日(月)より順次公開いたします!**


今後の公開スケジュールはこちら!


* **平日(月~金):朝と晩に1話ずつ公開**

* **週末(土~日):朝・昼・晩に1話ずつ公開**


読者の皆さんの応援や反響次第で、公開ペースをさらに増やすことも検討してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


**ユウキとルークの異世界開拓記、ぜひお楽しみください!**


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