お風呂
うーん、今日もお仕事頑張ったぁ!
国に沢山の雨を降らせることに無事成功したことを喜びながら、馬車に乗り込んだ。
馬車にがたごとと揺られながら、考える。
今日の朝食はすっごくおいしかったわ! 夕食は何かしら。きっと、夕食もすっごく美味しいに違いないわね。
シェフには、悪いことをしちゃったわ。
今度から気軽に触れないようにしないとね。そういえば、旦那様は夕食は一緒にとるのかしら。
うーん、でも、愛するつもりはない、ってたぶん言っていたし、夕食も別かなぁ。
◇◇◇
豪華なお屋敷に帰ると、たくさんの使用人の方々が出迎えてくれた。その中の一人である、家令のアルフが疑問を解消してくれた。
「旦那様から、夕食は先に召し上がるようにと言付かっております」
やっぱりかー!
別に全然良いけどね。でも、麗しいお顔が見られないのは残念かなぁ。
そう思いながら、わかったわ、と大きく頷いた。
一人で長ーいテーブルで食事をして──やっぱり夕食もとんでもなく美味しかった──、お風呂にはいる。
そう、お風呂!
平民だったときは、水で濡らしたタオルで体を拭くことの方が多かったけれど、お貴族様は毎日お風呂にはいれるらしかった。
やったぁ!
サイコー!!
たっぷり沸かされたお湯に浸かった。
「ふんふんふふーん」
鼻唄を歌っても反響しないほど広い浴室で、ゆっくり湯船に浸かると、一日の疲れもとれるわ。
美味しい食事に、こーんなに広いお風呂まで、使っちゃっていいのかしら。
だって、私ってば所謂愛されない妻だし。
でも、私は、旦那様を愛しているけどね!
だって、お顔がめちゃくちゃカッコいいから。なんといったって、歴代二位だものね。
すっと通った鼻筋に、さらさらな金髪の髪。そして、極めつけは、サファイアを閉じ込めたような瞳だ。
うんうん、かっこいいわ。
そんなことをつらつらと考えていると、あまりに長風呂だったため、メヴィーが心配して浴室に入ってきた。
「奥様、大丈夫ですか?」
「ええ、全く」
確かに、そろそろ上がってもいい時間だわ。
浴室から脱衣所に戻って、着替える。
メヴィーが着替えを手伝ってくれながら、あの、と切り出した。
「奥様、旦那様がもうすぐ帰られますが……」
なんと!
それは、お出迎えしなきゃね!
政略結婚なのに、なぜかお飾りの妻だけど、私は旦那様を愛しているもの。理由は主にというか、全て顔がいいから、だけど。
私は、急いで着替えて、髪を乾かし、玄関へと向かった。




