丸め子と博士5
丸め子は必死に博士を止めました。
「や、やめて!博士、どうしちゃったの?クマの丸太にはとっても優しくしてくれたじゃない!」
博士はそんな丸め子を見て、優しい笑顔で返事をしました。
「大丈夫、もう少し待っていてね。」
丸め子は、ベットの上でテディベアの丸太を抱きしめながら、丸太の腕の間からチラリチラリと博士が未だに切っているテディベアを見ていました。切られているテディベアが可哀想で、はっきりと見ることは出来ませんでした。
博士は今度は針と糸を取り出しました。
きったところを今度は縫い合わせ始めたのです。
初めはちらりちらりとしか見れなかった丸め子も、完成が近づくにつれてだんだんと博士が何を作っているのかわかってきました。
まだうまく動かない体を、ギシギシと鳴らしながら動かして、博士の隣まで歩いて隣に座りました。
また、博士のお手伝いをどうしてもしたくなったのです。
丸め子は、博士が先ほど抜き出した綿を、今度は詰め直すお手伝いをしました。
そして、ついに完成したのは帽子にテディベアのお顔が付き、袖にはクマの手が付いたポンチョでした。
テディベアの足だった部分は、丸め子のズボンに変わっていました。
この素晴らしいプレゼントを受け取った丸め子は、とっても嬉しいきもちで心がポカポカと暖かくなるのを感じました。
さらに博士はすぐにまるめこを修理する準備に取り掛かりました。
錆びてしまった部分を丁寧に磨き、ミルクに浸ってしまった機械の部分を綺麗に拭きました。
幸い、大きな故障は無かったと博士は笑顔をこぼしました。
そして、テディベアと一緒に持って帰ってきた袋の中から、何かを取り出し、丸め子に目を閉じててねというと、冷たい空気がゆっくりと全身を覆いました。
最初はつま先から始まって、次はお腹、最後にはお顔までぷしゅーという音とともにひんやりとした空気に包まれました。
終わったよという博士の言葉とともに、ゆっくりと目を開けた丸め子は驚きました。
博士や友達のクレアと同じ肌の色になっていたのです。
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