表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

丸め子と博士2

そこでまず、丸め子はお風呂に入ってみることにしました。


以前、体が錆びてしまった時、ザラザラになったからです。


ツルツルの体よりも、ザラザラの体の方が人間と似ているような気がしたのです。


それに、お風呂に浮かんでるアワアワのものも、ふわふわしていますしね。


初めてのお風呂は、少し怖くて寂しかったので、お気に入りのクマのぬいぐるみとお風呂に入ることにしました。


ここで、このテディベアのお話をいたしましょう。


生まれてすぐの時にまだ上手く歩けなかった丸め子は、学校に行くことができませんでした。そんな一人で寂しくしていた時に、博士はぬいぐるみを連れてきてくれたのです。

そのぬいぐるみは丸め子と同じくらいの大きさのテディベアでした。

テディベアと丸め子はすぐに親友になりました。


クマの名前は丸太と名付けて呼んでいました。

大きな木の幹のような茶色の毛皮だったのと、丸め子と似た名前にしたかったのです。まるで、兄弟ができたような気分でした。


丸め子と丸太は湯船をいっぱいまでいれて、

博士がいつもお風呂に入れている、お湯からアワアワが出てくる不思議な粉をまぶしました。


丸め子は、お風呂には入ったことがなかったのですが、博士のためにお風呂を泡だらけにするお手伝いはしたことがありました。


手を少しだけ入れて、肩のところにあるスイッチを押すのです。

すると、丸め子の手は電動ミキサーのようにグルグルと自動で回り始めました。


そして、綺麗な泡が浮かんだ湯船に二人で思い切って入りました。


ざぶーんと大きな水しぶきがたって、お風呂の泡が外に飛び出しました。


意外なことかもしれませんが、丸太もお風呂に入るのは初めてだったのです。

はじめてのお風呂は不思議な感じでした。

体に重く乗ってくるお水がなんとも辛く感じました。


博士がいつも入っている温度に調節してお風呂を入れてみましたが、丸め子には温かさは分かりません。なので、お風呂は温かくて気持ちいいものではありませんでした。


それでも人間のような肌になりたい丸め子です。目のすぐ下までお風呂に浸かって、しばらく我慢しました。



二人でお風呂から出ると、丸め子の体は見事に体は錆びだらけ。


しかし、錆びだらけの体はキーキーと音を立てるし、全身ザラザラでとてもふわふわとは程遠い体になってしまいました。


大きくてふわふわだった丸太も、水を吸ってびちゃびちゃと重くなってしまいました。

ちなみに、丸め子という名前は博士がつけてあげました。

丸くて可愛らしい女の子ということで、丸め子と名付けたそうですよ。


名前のセンスが似た者同士の親子です。


Continue...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ